早期離職防止に向けた新たな取り組み
2025年12月8日、愛知県経営者協会が主催し、株式会社haco.が実施した「新入社員の早期離職防止」をテーマにしたセミナーが行われました。このセミナーは、企業が直面する新入社員の早期離職問題を解決するために企画され、参加者からは多くの学びが得られたと報告されています。
セミナーの背景
日本では求人倍率の高止まりが続いており、それに伴い入社した若手社員がすぐに離職してしまうケースが増えています。「配属ガチャ」と呼ばれる言葉が生まれるほど、若手社員の不安感や期待と現実のギャップが顕在化しています。企業は採用活動に力を入れているにもかかわらず、なぜ彼らがすぐに退職してしまうのか、その理由を探ることが重要です。
本セミナーの目的
セミナーは「配属ガチャ」と呼ばれる現象を理解し、参加企業が自社の現状を見直すための機会として設けられました。特に、参加者は「もったいない」早期離職を防ぎ、より良いコミュニケーションを築くための具体的なアプローチを学ぶことを目指しました。
プログラムの内容
座学パート
セミナーでは、まず「イマドキの若者」をテーマにした講義が行われました。スマートフォンやソーシャルメディアの影響、評価の軸の違い、および入社後の心理的安全性などについて深く掘り下げました。特に、リアリスティック・ジョブプレビュー(RJP)の重要性が強調され、企業が求職者とどのようにコミュニケーションを取るべきかが語られました。
ワークショップパート
次に、参加者は人材要件設定ワークショップを実施しました。全81枚のカードを使用し、自社に必要な要件を抽出し、具体的な業務シーンを書き出しました。この作業を通じて、自社が求める人材像を明確にしたうえで、現在の採用活動と入社後のコミュニケーションを見直す重要性を再確認しました。
参加者の反応
セミナーには20名が参加し、満足度は90%を超えました。多くの参加者からは「他社との交流が貴重であった。若者に対する理解が深まった」という声や、「自社内でも同様のワークショップを試みたい」との感想が寄せられました。特に、若者の特徴を理解するだけでなく、その背景にある環境について知識を深めることが重要であるとの意見が多かったといいます。
愛知県経営者協会と株式会社haco.
愛知県経営者協会は、経団連の地方経営者団体として、経営者の視点で人事・労務に関する課題に取り組んでいます。会員企業には850社以上があり、豊富な事例やデータを活用したベストプラクティスを提供しています。
一方、株式会社haco.は就職や社員の育成に関する研修・セミナーの企画や運営を手掛けており、各社のニーズに応じたサービスを展開しています。特に、『Career.base』というキャリア支援ポータルサイトをリリースし、企業と学生の連携強化を図っています。
まとめ
「配属ガチャ」を含めた新入社員の早期離職問題は、企業にとって解決すべき重要な課題です。このセミナーを通じて得られた知識や体験は、参加企業が今後の採用戦略や社員育成に役立てることでしょう。早期離職を防ぐためには、企業側が変わる努力が不可欠です。