デジタル製品パスポートの実証実験
2025-10-14 13:22:50

株式会社サトーがデジタル製品パスポートの実証実験を開始し資源循環モデルを構築へ

株式会社サトーのDPP実証実験が始動



株式会社サトー(東京都港区)は、ナカダイホールディングス(東京都品川区)とRadarLab株式会社(東京都中央区)と連携し、デジタル製品パスポート(DPP)の実証実験(PoC)を開始しました。このプロジェクトは、企業を横断してDPP情報を取得し、活用する新しい取り組みとして注目されています。

DPPを用いた社会実装のモデルケース



本PoCでは、サトーが提供するラベルプリンターを対象に、製品のライフサイクル全体を通してDPPを実装することが目指されています。具体的には、廃棄後の回収から解体・破砕、そして再生素材によるハンドラベラーの試験製造に至るまでのプロセスが検証されます。これにより、DPPの社会実装に役立つモデルケースを提供します。

社会背景とその意義



現在、世界はサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を進めており、製品ライフサイクルに沿った情報管理や透明性の向上が求められています。特に欧州では、バッテリーパスポートの導入が義務化されることが決まり、原材料の採掘からリサイクル、再資源化に至るまでの全過程に関する情報記録が進んでいます。

日本国内でもDPPの導入が始まっていますが、現時点ではPoCや限定された導入にとどまっており、製造からリサイクルに至る情報のデジタル化と共通化が遅れています。これが情報の流れを分断させ、バリューチェーン全体の可視化が難しくなっています。そのため、リサイクル側と製造側の連携が十分に機能せず、資源の循環投資機会が制限されています。

実証実験の方法と期待される成果



本PoCでは、サトーが製造した使用済みラベルプリンターを回収し、再資源化を通じてDPPを導入します。このプロセスは、2025年の10月6日から11月末まで実施され、情報活用とその運用方法の有効性を検証します。

回収したラベルプリンターには、DPPに基づく製造情報や素材情報が2次元コードに付与され、リサイクル現場での情報活用が促進されます。使用されるABS樹脂の資源循環を徹底的に管理して、ラベルプリンターの解体・粉砕・再生素材を利用した新商品製造のプロセスも記録されます。

今後の展望と意義



本PoCを通じて得られた知見は、DPPの社会実装モデルに限らず広範な適用が期待されています。製造とリサイクルの双方向データ活用が促進され、業種を超えた循環型データ基盤の形成が目指されます。また、共通データやプロセスを開発・検証することにより、業界横断的な協力が実現されることが望まれます。

企業の概要



株式会社サトーは、1940年に創業し、現在では90以上の国と言語でビジネスを展開するグローバル企業です。自動認識技術を用いた製品情報の管理や流通を最適化することで、さまざまな業界の課題解決に貢献しています。そのビジョンは、利益だけにとどまらず、社会全体の持続可能な発展にも寄与することです。


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会社情報

会社名
株式会社サトー
住所
東京都港区芝浦3-1-1msb Tamachi 田町ステーションタワーN
電話番号
03-6628-2400

トピックス(IT)

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