NECが20の金融機関と共に生成AI活用の共同研究会を始動

NECと金融機関が創新を促進する「Agentic AI共同研究会」

2025年7月30日、NECは地域金融機関や系統金融機関と共に「Agentic AI共同研究会」を発足させました。この研究会は、金融機関が抱える課題を整理し、生成AIの活用を通じて解決することを目指しています。

背景と目的

近年、生成AIは急速に発展し、特にチャットボットや業務自動化の分野での需要が増しています。最初は一般的な業務への応用が目立ちましたが、最近では特定業種向けの利用も進んでいます。しかし、生成AIを導入するには、正確な情報収集やセキュリティ対策といった課題もクリアしなければなりません。そんな背景の中で、NECは「Agentic AI共同研究会」を設立しました。昨年度の「地域金融機関生成AI共同研究会」を経て、参加金融機関同士の成功事例や技術のトレンドを共有し、業務全体の最適化を図ることを新たな目標に設定しました。

主要な活動内容

研究会では、以下のような具体的な活動を予定しています：

1. 共同検証：Microsoft Azure OpenAI ServiceやNEC開発の生成AI「cotomi(コトミ)」を用いて、実際の金融業務におけるユースケースを探索し、具体的な成果を目指します。

2. 活用高度化：各金融機関のAI活用状況を診断し、それぞれのニーズに応じた効果的な活用法や実施順序を検討します。このアセスメントを通じて、皆が共通してビジョンを持つことが可能になります。

3. ナレッジ共有：参加金融機関間で生成AIの利用状況や成果を共有し、業界全体の知見を高めます。

年間スケジュール

2025年7月から2026年2月までの間、月ごとの研究会を通じて、参加金融機関同士の交流を深める予定です。どういった進捗や結果が出るか、今から楽しみです。

参加企業について

運営は日本電気株式会社が担当し、愛媛銀行や東京スター銀行、横浜銀行などの地域金融機関20社が参加をしています。各金融機関が抱える課題に対して協同して取り組むことで、より良い解決策を導き出すことが期待されています。

NECの目指す未来

NECは、この共同研究を通じて、地域金融機関のデジタル変革を促進し、社会に貢献することを目指しています。すでに2024年度には15の地域金融機関とともに生成AIの知見や人材育成に取り組み、具体的な成果を挙げています。

「cotomi(コトミ)」は、NECが開発した生成AIの名称で、今後の金融業務の未来を形作る重要な役割を果たすことが期待されています。「こと」が「みのる」という願いが込められているこのAIは、金融機関を通じて顧客と共に成長し、未来を切り開く存在になるでしょう。