間伐材を活用した初の耐火カーテンウォール「カンタイパネル」が誕生

新しい建築のスタンダード、間伐材の外壁「カンタイパネル」

間伐材を使用した外壁パネル「カンタイパネル」が、2025年3月28日に発表されました。この新しいパネルは、大和ハウス工業、フジタ、芳賀沼製作の3社の協力によって開発され、日本初となる60分耐火の大臣認定を獲得しました。これにより、都市部の高層建築物にも対応が可能になり、火災時の安全性が著しく向上したと言えるでしょう。

カンタイパネルの特長

「カンタイパネル」は、カーテンウォール形式の木質外壁で、火災から保護するために強化石こうボードで芯材を覆っています。この構造により、耐熱性を確保しつつ、デザイン面でも柔軟性を兼ね備えています。また、連結部には耐火目地材や耐火ガスケットが使用され、炎の侵入を効果的に防ぐ設計となっています。

環境意識の高まりから

最近では環境意識の高まりから木材を使用した建築が注目される中、「カンタイパネル」の開発は時流に乗ったものといえます。建物の外観に木材を採用することで、企業はブランドイメージを向上させることができるため、都市部のオフィスビルなどでのニーズも高まっています。このような背景の中で、「カンタイパネル」は木質化の流れをリードする存在になるでしょう。

高い意匠性と施工性

「カンタイパネル」のデザインはカーテンウォール形式を採用しており、構造上の制約が少なく自由なデザインを実現しています。工場であらかじめ製造された部材を現場で取り付けるため、施工期間も短縮され、効率的に作業が進むことが期待されています。

タテログ構法の採用

間伐材の使用を拡大するために採用されたタテログ構法により、木材の強度を高めています。樹齢50年を超えた人工林が多い日本では、間伐が必要とされていますが、一般的には弱い樹種が多く、建材としての利用が進まないという課題がありました。そこで、「カンタイパネル」は樹種を選ばずに使用できる新しい外壁の形を作り出しました。

今後の展望

今後、フジタの技術センターにおいて「カンタイパネル」の導入が提案される予定であり、今後のデモンストレーションや実際の建物への採用が楽しみです。このプロジェクトを通じて、環境に配慮した木材利用が促進され、持続可能な社会が実現されることが期待されます。

この「カンタイパネル」が、都市に新たな価値をもたらし、自然環境とともに共存できる社会の一翼を担うことを願っています。