ダイレクト系が代理店系を上回る!自動車保険事故対応満足度で時代の転換点到来
株式会社J.D. パワー ジャパンが発表した「J.D. パワー 2024年自動車保険事故対応満足度調査℠」の結果、ダイレクト系の総合満足度が初めて代理店系を上回ったことが明らかになりました。
調査では、総合満足度が前年調査に比べ全般的に低下したものの、ダイレクト系は前年比13ポイント向上し705ポイントを記録。一方、代理店系は28ポイント低下し692ポイントとなり、ダイレクト系が代理店系を上回る結果となりました。これは、2012年から実施されている「J.D. パワー 自動車保険契約者満足度調査℠」において、事故対応における満足度でダイレクト系が代理店系を上回ったのは初めてのことです。
代理店系は顧客対応の改善が急務
代理店系は、「事故受付体制」、「事故対応担当者」、「調査/認定結果」、「修理サービス」、「保険金支払」の5つのファクターで20ポイント以上の低下が見られました。特に、コールセンターや代理店の対応、保険金支払におけるスピード感や納得感の評価が低くなっています。
一方、実態調査では、顧客接点における対応面や活動量に目立った低下は見られませんでした。つまり、顧客対応の質はそれほど悪化していないにも関わらず、顧客からの評価が大きく低下しているということです。これは、代理店系に対する顧客の信頼が大きく損なわれていることを示しており、顧客に対する姿勢そのものを根本的に見直す必要があると言えるでしょう。
ダイレクト系はサービス向上をアピール
スコアが上昇したダイレクト系では、「事故対応担当者」、「調査/認定結果」、「修理サービス」、「代車/レンタカーサービス」、「保険金支払」の5つのファクターで10ポイント以上の向上が見られました。特に、「保険金支払」や「事故対応担当者」など事故処理の重要なプロセスを担うファクターの評価向上は、コスト重視で選ばれがちなダイレクト系にとって、サービスの質が向上していることを示す大きな成果と言えるでしょう。
ブランドイメージでもダイレクト系が優勢
本調査では、今年から企業のブランドイメージを測定する設問が新たに追加されました。「顧客重視」、「革新的」、「信頼できる」など7つのテーマで測定した結果、ダイレクト系のスコアが全項目で高くなりました。特に、「革新的」では0.47ポイント、「評判が良い」では0.33ポイント、「顧客重視」においても0.26ポイントと、ダイレクト系が大きくリードしています。これは、代理店系が抱えるイメージ問題が、事故対応においても顕在化していることを示しています。
ソニー損保が4年連続首位を獲得
総合満足度ランキングでは、ソニー損保が4年連続で1位を獲得しました。「保険金支払」、「事故受付体制」、「事故対応担当者」、「調査/認定結果」の4つのファクターで最高評価を獲得しています。2位はイーデザイン損保、3位はAIG損保となりました。
顧客満足度向上に向けた取り組みが急務
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門の梅澤希一常務執行役員は、「ダイレクト系が総合満足度で代理店系を上回ったことは、コストだけでなく品質でもダイレクト系が支持を受けていることを示しており、自動車保険業界における時代の転換を示す大きな結果であると言える」とコメントしています。
代理店系は、顧客からの信頼回復に向けて、顧客本位を実現するための仕組みや体制の抜本的な見直しが必要です。顧客満足度向上に向けた積極的な取り組みが求められます。