OMNIVISIONとdSPACEの新たな提携
2025年11月11日、シミュレーションおよび妥当性確認の分野で知られるdSPACEと、半導体技術のリーダーであるOMNIVISIONが提携を発表しました。この提携は、特に先進運転支援システム(ADAS)と自動運転(AD)システムの開発を加速させることを目的としています。
AURELIONへのOMNIVISIONカメラモデルの統合
この提携の目玉は、dSPACEのシミュレーションプラットフォーム「AURELION」にOMNIVISION製カメラの現実的なモデルを統合することです。カメラはADASとADシステムにおいて、周囲の状況を正確に検知するための重要な役割を果たしています。それにより、物体検出や車線追跡、障害物回避に必要なデータを提供し、安全かつ効率的なシステムの構築が可能になります。
AURELIONは、多様な運転シナリオや状況を再現するため、リアリスティックなセンサシミュレーションを実現しています。このシミュレーション技術により、ADASやADシステムの信頼性と堅牢性を、実際の路上テストの前に確保することができるのです。
開発サイクルの短縮とコスト削減
dSPACEのセンサシミュレーション部門のプロダクトマネージャーであるCaius Seiger氏は、「OMNIVISION社製カメラのモデルがAURELIONで選択可能になったことで、弊社のお客様はテストの選択肢を広げ、開発の初期から妥当性確認まで、さまざまな段階でサイクルを短縮できる」と語っています。これにより、開発費用を抑えながらも迅速に質の高い製品を市場に投入できる体制が整います。
OMNIVISIONによるさらなるイノベーション
OMNIVISION社のイメージング技術担当ディレクター、Steve Wang氏も今回の提携について「dSPACEとの協力で、OMNIVISIONの高性能イメージセンサモデルを現実的な仮想テスト環境に導入できる。これにより、開発者はADASおよびADシステムの妥当性確認を迅速かつ効率的に行え、イノベーションを加速することができる」と述べています。
この提携によって、OMNIVISION社とdSPACEの共同作業により、センサのリアリスティックなシミュレーション性能が大幅に向上し、自動車業界においてより安全で信頼性の高い認知ソリューションの確保が期待されています。
dSPACEとは
dSPACEは、コネクテッドカーや自動運転車両の開発において必要不可欠なシミュレーションおよび妥当性確認ソリューションを提供する国際的な企業です。自動車メーカーやサプライヤーは、dSPACEのエンドトゥエンドソリューションを利用して、実車での試験前に多様なテストを実施しています。
また、航空宇宙や産業オートメーションといった他の業界でもdSPACEは開発パートナーとして選ばれており、その知識と経験を活かしています。dSPACEはドイツのパーダーボルンに本社を構え、世界各地に子会社を持ち、2,800名以上の従業員が各種製品とサービスを提供しています。
詳細については、
dSPACE公式サイトをご覧ください。