Qorvoが新たに発表した750V 4mΩ SiC JFET
Qorvo(NASDAQ:QRVO)は、750V、4mΩという特性を持つ新型のシリコンカーバイド接合型電界効果トランジスタ(SiC JFET)「UJ4N075004L8S」を発表しました。この新製品は、接続性とパワーソリューションのグローバルリーダーとしての地位を強化するものであり、特に半導体回路ブレーカなどの用途において重要な革新をもたらします。
スーパーコンパクトなデザイン
このSiC JFETはTOリードレス(TOLL)パッケージとして提供され、非常にコンパクトなサイズを実現しています。この小型化は、特に電気自動車や航空機など、スペースが厳しい用途での使用を可能にします。加えて、低抵抗(4mΩ)と優れた熱性能を兼ね備えているため、高効率かつ高い信頼性を要求されるシステムに最適です。
半導体回路ブレーカの新たな利点
従来の機械式ブレーカに比べ、半導体回路ブレーカ(SSCB)は多くのメリットがあります。例えば、SSCBは高速での障害遮断を実現しており、これにより機器の損傷を防ぎ、システムの安定性を高めます。その動作はマイクロ秒単位であり、通常の機械式ブレーカのトリップ時間と比べて圧倒的に速いです。
また、SSCBには可動接点がないため、スイッチング時にアークが発生せず、機器への負担が軽減されます。さらに、遠隔操作機能を持ち、従来の手動でのリセットが不要です。これにより、使用者はよりスムーズに、安全に操作を行うことができます。
プログラム可能な定格電流機能もあり、用途に応じて柔軟に調整できます。従来のブレーカに比べてコンパクトで軽量であるため、特に制約の多い空間において有効です。その上、長寿命で高温でも動作可能な設計となっており、さまざまな環境ニーズに応えます。
Qorvoの技術的優位性
UJ4N075004L8Sは、650Vから750Vのクラスで何よりも低いオン抵抗を実現しており、他のSi MOSFETやGaNトランジスタに比べて1/4から1/10の効率的な電力損失が可能です。また、750Vという高い耐圧により、設計時のマージンも大いに向上します。結果として、業界トップクラスの熱抵抗を持つため、効果的な放熱性能も確保されています。
さらに、この製品は120A DCおよび588Aのパルス電流に耐える記録を持ち、過渡的な過負荷に対しても優れた堅牢性を示します。QorvoのSiCパワー製品のプロダクトライン・マーケティング・ディレクターRamanan Natarajanによると、「この新製品は、SiCパワーイノベーションのリーダーシップをさらに促進し、新しい用途の出現を後押しする」とのことです。
今後、Qorvoの新鋭なJFET「UJ4N075004L8S」は、サンプル提供が開始され、2024年第4四半期から量産が行われる予定です。この新技術がもたらす数々の革新が半導体市場にどのような影響を与えるか、今後の動向から目が離せません。