安心して歩ける未来を目指して
視覚障害者の移動を支援するため、錦城護謨株式会社が開発したゴム製の誘導マット「歩導くんガイドウェイ」が注目を集めています。この製品は、視覚障害者が安全に目的地まで簡単に移動できるように設計されています。
実証実験の成果について
2025年2月1日と2日に東京都中央区日本橋室町で、視覚障害者向けの歩行支援ツールを活用した実証実験「ワクワクプロジェクト」が実施されました。ここでは、錦城護謨が製造する「歩導くんガイドウェイ」やトイレ誘導ライン「ガイドレット」を使った誘導手法が試され、参加者からは「以前よりも簡単に認識できた」との声が挙がり、好意的な評価を得ました。
新たな規制とその意義
2024年4月には、改正された障害者差別解消法により、民間企業も合理的配慮を提供することが義務づけられるようになりました。この法改正が意味するのは、視覚障害者を含む全ての人が快適に移動できる環境を整備することです。この取り組みは、もはや一部の企業だけの責任ではなく、社会全体が共有すべき課題と言えるでしょう。
製品の紹介
歩導くんガイドウェイ
「歩導くんガイドウェイ」は、視覚障害者が歩行を安全に誘導されることを目的とした屋内専用のゴム製誘導マットです。音や足裏の感触を通じて目的地へと導く設計になっており、傾斜がなだらかであるため、視覚障害者だけでなく、車いす利用者やベビーカーを使う人たちにも対応しています。すでに1200ヵ所以上の公共施設や病院に導入されています。
ガイドレット
視覚障害者がトイレを利用する際の課題に応えるために開発された「ガイドレット」は、トイレ内の誘導ラインです。約88%の視覚障害者がトイレ内のレイアウトに困っている現状を踏まえ、専門家と共同で開発されました。両面テープで簡単に設置でき、トイレまでの道筋を明確に示します。
ココテープ
視覚障害者が任意で歩行をサポートするため、PLAYWORKS株式会社と共同で開発された「ココテープ」は、携帯性に優れ、必要な場面で簡単に使用することができます。特別な支援が必要な場面でだけ使用することができるため、それぞれのニーズに応えられます。
社会全体での取り組み
錦城護謨は、今回の実験結果を受けて製品改良を進め、さらに視覚障害者の快適性向上に努める方針です。バリアフリーの推進は、企業だけではなく、社会全体が協力して取り組むべき課題です。誰もが迷わず安全に移動できる未来へ向けて、意識の変革が求められているのです。
会社概要
錦城護謨株式会社は、創業以来89年の歴史を誇る国内トップシェアのゴム部品製造企業です。家電関連から福祉ビジネスへの転換を目指し、技術力を活かして新たな挑戦を続けています。今後の活動にも期待が寄せられています。