北陸の歴史ある酒蔵で魅せる舘鼻則孝のアート作品

北陸の文化の豊かさを感じるアート祭典「GO FOR KOGEI」が、2024年9月14日から10月20日まで開催されます。この祭典は、東京藝術大学名誉教授の秋元雄史氏が総合監修を務め、工芸やアートにおける哲学をテーマにした作品が展示される貴重なイベントです。特に注目すべきなのは、著名なアーティスト舘鼻則孝による大型アートワークの公開です。会場となる桝田酒造店は、明治26年に創業された歴史的な酒蔵で、名酒「満寿泉」で広く知られています。ここで展示されるアートは、酒造りのルーツやその背景を深く掘り下げるものとなっています。

舘鼻則孝の新作アート「Descending Painting ‘Unryu-zu’」は、空間の神棚から前方に向かって波のように伸びる稲妻を描いています。この作品は、酒造りに欠かせない「米」に対する愛情や、豊穣の願いを込めた一枚であり、酒蔵のシンボルである「龍」とも深い関わりを持っています。稲妻と雲といったモチーフを通じて、彼の作品は仏教や神道の精神を表現しており、「天と地」や「生と死」といったテーマが共存しています。

さらに、舘鼻則孝の代表作「Heel-less Shoes」にも目が離せません。この作品は、江戸時代の花魁が履く高下駄からインスピレーションを受け、多くの著名なアーティストにも認められています。特に米国の歌手レディー・ガガが愛用したことで、世界中で話題になりました。また、この作品はニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア＆アルバート博物館にも収蔵されています。

「GO FOR KOGEI」は、富山県富山市と石川県金沢市を舞台に、多岐にわたる工芸とアートが楽しめるイベントです。桝田酒造店の他にも、地域の文化とともに新作アートの展示が行われる「KOBO Brew Pub」でも舘鼻則孝の作品が見ることができます。ここでは、酒粕を使用したクラフトビールも楽しむことができ、新旧が融合した魅力あふれる空間が広がっています。

このアート祭典は、工芸やアートの発展とともに北陸の魅力を広める重要な機会です。ぜひ足を運び、舘鼻則孝の作品を間近で体感して、その深い意図や美しさに触れてみてください。豊かな歴史と文化が息づく北陸で、アートに浸る特別な時間をお楽しみいただけるでしょう。