母乳と子の発達
2025-01-27 14:06:21
母乳中ヒトミルクオリゴ糖と子どもの発達に関する新たな研究成果
日本初、母乳中のヒトミルクオリゴ糖に関する研究
2024年12月10日、国際学術誌『Journal of Food Science』に、株式会社明治や複数の大学との共同研究により、新しい知見が発表されました。本研究は、日本人母乳の中に含まれるヒトミルクオリゴ糖(HMOs)が子どもの頭囲の成長や精神神経発達に与える影響を評価した最初の研究です。
研究の背景
母乳は子どもが生まれてから最も自然な栄養源とされ、その成分の多くは子どもの成長や健康に寄与しています。中でも、母乳には難消化性オリゴ糖が多く含まれ、特にヒトミルクオリゴ糖は腸内環境を整える重要な役割を果たしています。海外では、これらのオリゴ糖が子どもの精神神経発達に関連しているとする研究もありましたが、日本人を対象とした研究は未だ行われていませんでした。
そこで今回、明治と東北大学のメガバンク機構が共同で、無作為に抽出した150名の母乳に含まれる8種のHMOs濃度を測定し、その成分と子どもの成長との関連を探ったのです。
研究方法と結果
本研究では、3世代にわたる母乳栄養児のデータを基に、母乳中のヒトミルクオリゴ糖を測定する新しい手法を開発しました。測定の結果、特に3種類のHMOsが子供の頭囲や精神神経発達に正の相関を持つことが判明しました。具体的には、子どもが生後から5か月の間の頭囲成長や、24か月時点での微細運動発達との関連が明らかにされました。
研究の意義と今後の展望
この研究成果は、母乳に含まれる成分の重要性を再確認させるものであり、今後の乳幼児の健康や成長に関する新たな方向性を示すものとなっています。特に、母乳中のHMOが持つ栄養的価値を明らかにすることは、乳幼児の健全な成長を促進するための新たな知見を提供します。
また、今後はこの研究結果をもとに、より多くの日本人母乳を対象とした追加研究が求められます。これにより、異なるHMOsがもたらす具体的な効果についての理解が深まり、今後の育児指導や栄養管理に役立つ情報が得られるでしょう。
結論
母乳中のヒトミルクオリゴ糖は、子どもの成長や発達にとって重要な役割を果たしていることが示されました。本研究は、乳幼児の健康増進に向けた貴重な情報を提供するものであり、これからの育児において母乳の重要性が再認識されることが期待されています。今後の研究が進むことで、乳幼児に最適な栄養成分の理解がさらに深まることを願っています。
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