越境プログラムがもたらす意識変革と行動変容
東京都品川区に位置するNPO法人クロスフィールズは、社会課題に対する意識や行動を変えることを目指した越境学習プログラムを提供しています。このプログラムは、ビジネスパーソンを全国および国際的な社会課題の現場に派遣することで、参加者に新たな視点や経験をもたらすことを狙いとしています。
最近、クロスフィールズが実施したアンケート調査によれば、プログラム参加者の約8割が何らかの意識または行動の変化を実感したと報告しています。この調査は、プログラム参加者のその後の成長を追跡し、どのような影響をもたらしているのかを明るみに出すものです。
調査の背景と目的
調査は、プログラム参加後1年から10年経過した73名の参加者を対象に実施されました。特に「社会配慮行動促進」に関する理論モデルをベースに設計されており、参加者の意識や行動の変化を定量的に把握することを目的としています。より具体的には、プログラム経験が参加者にどのような寄与をしているのか分析するためのデータ収集が行われました。
主な調査結果
1.
意識と行動の変化: プログラム参加後、意識または行動に変化が生じたと回答した参加者は約80%に達しました。
2.
業務への応用: 社会課題の解決に貢献する活動を業務で実施している割合は約60%、ビジネス以外で活動しているのは約30%という結果が出ました。これは、越境経験を日常業務に取り入れようとする意識の表れと言えます。
3.
役職別の傾向: 管理職以上の層が特に高い割合で社会課題の解決に寄与する行動をとっていることが確認され、これにより、意思決定を行う立場にある管理職が、日常業務でプログラムの学びを活かしやすい傾向が見えました。
4.
プログラムの効果: 留職プログラム参加者は、社会課題を解決したいという意志の発揮が高く、経験の深さや濃さ(現場での没入度、派遣期間、内省の頻度など)が意識の変化に影響していることが示唆されました。
越境プログラムの未来
クロスフィールズは、今後も定期的にプログラム参加者へのアンケート調査を通じて、社会へのインパクトを測定していく方針です。さらに、より効果的なプログラムの研究開発も目指しており、ビジネスパーソンが社会課題の解決に積極的に関与できる場所を提供し続けます。
この調査結果は、越境学習が個人や社会に与える影響を示す貴重なデータとなっており、今後のプログラム改善や新しい取り組みの参考となることでしょう。越境プログラムがもたらす意識と行動の変化は、現代社会においてますます注目されるテーマとなることでしょう。