現代舞踊の魅力を伝えるカルヴィン・リチャードソンの舞台裏
ロイヤル・バレエのプリンシパル、カルヴィン・リチャードソンが舞台、特に最新公演『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』の魅力を語る。この作品は、現代バレエ界で名を馳せる振付家クリストファー・ウィールドンによるもので、舞台上でのカルヴィンの姿は多くの観客を魅了すること間違いなしだ。
カルヴィンは、ローレン・カスバートソンとのデュエット「トゥー・オブ・アス(ふたり)」を通じて、ジョニ・ミッチェルの名曲を背景にしたロマンチックで切ない演技で注目を集めている。今年、プリンシパルに昇進した彼は、様々な役柄に挑戦してきたことが評価されている。
昇進を果たしたカルヴィンの舞台への情熱
昨年、プリンシパルに昇進したカルヴィンは、「この役割を与えられたことがとてもエキサイティングだ」と振り返る。シーズン中は主役を多く演じ、彼のダンサーとしての人生に新たな変化をもたらした。彼は、「多くの素晴らしいアーティストたちと共演する機会を得て、感謝している」との言葉を残した。
彼が特に大切にしているのは、パートナーが安心して踊れるようサポートすること。観客が安心して舞台を楽しむためには、自信を持って演技することが重要であると語った。これにより、舞台上の雰囲気が大きく変わると感じているという。
ウィールドンの振付に対する愛情
『トゥー・オブ・アス(ふたり)』にキャスティングされたことについて、彼は「過去にこの作品を踊ったデヴィッド・ホールバーグの代わりに踊るのは、大変な試練だった」と語った。その反面、美しい振付やジョニ・ミッチェルの音楽の影響を受け、「幸せを感じながら踊れる」との思いも明かした。
この作品の中で、言葉にならない思いをダンスで表現することの重要性を感じ、彼自身の解釈を大切にしている。「クリストファー・ウィールドンの振付には、記憶のズームイン・ズームアウトという独特の創造性がある。そうした要素が、この作品の面白さを増している」とカルヴィンは言った。
日本との深いつながり
日本のファンに対して深い感謝を述べたカルヴィンは、交流がもたらす特別な絆を強調した。「日本のお客様との関係は本当に素晴らしく、何度も公演を通じて交流できて嬉しい」と語り、観客に向けたメッセージを忘れずに届けた。
今シーズンは、高田茜や佐々木万璃子と共演する機会があるとのことで、「楽しみにしている」と心境を明かした。カルヴィンは様々な役に挑むことを希望しており、新たな役柄にトライするエキサイティングな気持ちを持ち続けている。
プライベートの一面と多様な影響
カルヴィンは、休暇の日はアニメを観ることを楽しみとしていることを明かした。『千と千尋の神隠し』から始まり、多くの日本のアニメファンとしての側面を見せ、「アニメはリラックスする時間を提供してくれる」と好きな作品を紹介した。
「ダンダダン」や「怪獣8号」、「鬼滅の刃」など、さまざまな作品に親しみつつ、彼は芸術活動にもチャレンジしている。ロンドンの文化的な催しも楽しんでいるとのことで、新しい体験への貪欲な姿勢が伺える。
最後に
カルヴィン・リチャードソンの舞台にかける情熱と、観客との深いつながりの重要性についての思いが綴られた。ロイヤル・バレエとしての彼の活躍はもちろん、来るべき公演『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』に注目が集まる。観客は彼の表現する舞台芸術がどのように発展していくのか、その成長を楽しみにしている。彼の姿を通して、現代バレエの新たな魅力が伝わってくることだろう。