雇用とモチベーション
2024-06-27 15:21:13
多様化する雇用環境におけるモチベーションの変化:コーン・フェリーのグローバル調査結果
雇用の多様化がもたらすモチベーションの変化:コーン・フェリーの調査結果
グローバルな組織コンサルティングファームのコーン・フェリーが実施した調査によると、雇用の多様化は従業員のモチベーションに大きな影響を与えていることが明らかになりました。特に、経営層は自身の能力に自信を失う傾向があり、若手社員は職場への帰属意識を感じにくい状況にあることが示されています。
トップは孤独だ:経営層の自信喪失
調査結果によると、あらゆるレベルの従業員が仕事に対する不安を抱えていますが、特に興味深いのは、CEOや上級管理職を含む経営層が、若手一般職よりも「インポスター症候群」の兆候を示す傾向が強いということです。インポスター症候群とは、自身の能力を過小評価したり、疑いを持ったりする感情のことです。
CEOの71%がインポスター症候群を経験しているという調査結果からも、経営層は自身の指導力に対して自信を失っていることがわかります。CEOの85%は就任前は職務遂行能力に自信を持っていたものの、実際に職務に就いて難題に直面すると自信を喪失することがあるようです。
若手一般職は職場に自分の居場所を見つけられない
経営層が自己肯定感に悩む一方で、若手一般職は組織の中で自分の居場所を見つけられずにいます。これらの従業員の半数以上は、上司に個人的な問題や精神的な健康について相談することをためらっています。つまり、職場においてありのままの自分ではいられず、同僚に対しても素の自分を出せていません。そのため、若手一般職の仕事に対するモチベーションは低下しており、仕事以上のことに取り組もうという意欲も低くなっています。
雇用安定性と柔軟性が人材を惹きつけ、報酬が定着の原動力となる
従業員は職務の柔軟性をますます重視するようになっており、柔軟性、手厚い報酬、高い雇用安定性がエンゲージメントの重要な要因となっています。特に報酬は多くの従業員にとって重要で、希望する給与が支払われるのであれば嫌な仕事でも続けたいと考えています。この傾向は経営層でさらに顕著で、7割以上のCEOとシニア・エグゼクティブが、希望する給与が支払われるのであれば嫌な職務でもとどまると答えています。
AIの影響に対する不安
年齢を問わず、働き手はAIが日々の仕事に与える影響について不安を感じています。従業員の3分の2は新興テクノロジーが及ぼしうる影響についてポジティブに感じていますが、同時に半数以上は今後3年以内に自分の役割がAIやその他の新興テクノロジーに取って代わられることを懸念しています。
結論
コーン・フェリーの調査結果は、雇用の多様化が従業員のモチベーションに大きな影響を与えていることを示しています。企業は従業員の不安や不満に対処し、それぞれのニーズに応えることが、従業員のエンゲージメントを高め、企業全体の成長を促進するために不可欠です。
コーン・フェリーは、今後も従業員のモチベーションに関する調査を継続し、企業が従業員を効果的にマネジメントするための戦略を提供していきます。