24時間体制でエレベータを見守るフジテックの新BCP対策
フジテック株式会社は、エレベータやエスカレータの遠隔監視を行う「セーフネットセンター」での事業継続計画(BCP)を強化しました。この取り組みにより、常に安全で安心な移動空間の提供を目指しています。具体的には、2025年3月14日より新しくクラウド環境でデータベースサーバを運用開始しました。
クラウド移行のメリット
従来、社屋内のデータセンターに設置されていたデータベースサーバをAWSのクラウド環境に移行することで、機器の故障や建物の被害によるシステム停止のリスクを大幅に軽減することが可能となりました。さらに、通信ネットワークやAWSの大規模障害に備え、東京と大阪の2カ所にデータセンターを分散配置しています。これにより万が一のトラブルにも迅速に対応し、セーフネットセンターの機能を維持します。
このクラウド化により、フジテックは利用者に対してさらなる“安全・安心”を提供することを目指しています。また、将来的にはエレベータ・エスカレータとの通信を制御するサーバもクラウド環境へ移行し、全体のシステムをフルクラウド化する計画を立てています。これにより、社内サーバの廃止が進み、電力消費の削減を図りながら環境負荷の軽減にも寄与できる見込みです。
セーフネットセンターの機能
「セーフネットセンター」は、24時間365日体制でエレベータやエスカレータの監視を行っています。このセンターでは、緊急時の受電や出動指令の発出を担います。特に、広域災害時にはエレベータの被害状況の把握と専門技術者の派遣状況を迅速に確認し、対応を指示する役割も果たしています。センター自体が災害対策本部として機能し、早期復旧を目指しています。
さらに、各拠点が入居する建物は耐震または免震構造を採用し、72時間の電源を確保できる自家発電装置を備えています。これにより、災害が発生した際でも運用が続けられる堅牢な体制を整えています。2022年には、リスク分散を目的にセンターを2ヶ所増設し、現在は東京2拠点・大阪2拠点の4拠点体制となっています。これにより、日本全国のエレベータやエスカレータの監視が実現されました。
フジテックの信念
フジテックは1948年に設立され、エレベータ、エスカレータ、動く歩道の専門メーカーとして、研究開発から製造、販売、据付、保守、リニューアルに至るまで一貫した体制を整えています。世界24カ国において、安全で快適な移動空間を提供し続けており、その信念が「安全・安心」に表れています。最新の技術を取り入れ、今後もさらなる進化を遂げていくことでしょう。公式ウェブサイトでは、事業内容や最新の取り組みについて詳しく紹介されています。興味のある方はぜひ訪れてみてください。