株式会社ポーラのPOLAイノベーションセンターは、2024年11月18日~20日に開催される第2回日本化粧品技術者会学術大会にて、ゆずの残さから抽出したエキスの研究成果を発表します。
この研究は、東京工科大学応用生物学部応用生物学科の松井毅教授との共同で行われました。発表タイトルは「未利⽤資源であるゆずの搾汁カスから抽出したエキスはヒト⾓層の剥離促進に関わる」です。
研究では、高知県産のゆずの搾汁カスから50%エタノール水溶液でエキスを抽出し、ヒト三次元表⽪モデルの⾓層表⾯に0.5%のエキスを添加して実験を行いました。その結果、エキス添加によってデスモソームが有意に減少することが確認されました。デスモソームは、角層細胞同士を結合するタンパク質複合体で、その減少は角層の剥離を促進すると考えられています。
さらに、HE染色画像及び電子顕微鏡画像による解析では、エキスありの場合、角層に多くの隙間(白い部分)がみられ、角層の剥離が正常な状態であることが確認されました。これは、エキスがデスモソームを減少させることで、角層の隙間を増やし、セラミドなどの細胞間脂質で満たすことで、角層のバリア機能と柔軟性を高める効果を示唆しています。
ポーラは、今後もオープンイノベーションを推進し、新たな価値の創出を目指していきます。