イオンリテール、新たな人事制度「ウェルカムバック制度」を導入し再入社のチャンスを拡大

イオンリテールは、 2023年9月21日（土）から新しい人事制度「ウェルカムバック制度」を導入した。この制度は、従来の再入社制度を見直し、退職理由を問わず再入社を可能にするという特長を持つ。このような改革は、企業の持続的な成長や顧客満足度の向上を目指す中で従業員を最大の資産と考え、様々な人事制度の刷新を図る一環だ。

「ウェルカムバック制度」は、正社員のみならず、パートタイムの従業員も対象としている。これにより、従来の制度では結婚や出産、育児、介護といった状況で退職した方々に限定されていたため、より幅広い人材を確保することができる。転職した人や新卒の内定辞退者も対象となり、再びイオンリテールでの活躍を実現する機会が増えることとなる。これにより、多様な経験や専門性を持つ人材を再度採用することができ、企業にとっての競争力を高める戦略的な施策であると言える。

新制度は、退職前の事前エントリーが不要で、専用のホームページから申し込むことができる。また、再入社の際には、正社員かパートタイムのいずれかを選択することができる。一定の条件を満たした場合、処遇に関連する資格等級は退職時よりも高いものが設定される。新卒採用の内定辞退者も新たにこの制度の対象となり、採用選考を経ずに入社の機会を得ることができる。

今後退職を予定している従業員には、ネットワーク構築を目的とした「ウェルカムバックカード」が配布される。このカードは、将来的なリターン入社の際に役立つもので、企業と過去の従業員との関係を保ちながら、再度の雇用接点を持つことを促す。

このように、イオンリテールは人材を重視した成長戦略を進めており、顧客満足度の向上だけでなく、持続可能な経営を目指している。業界全体での人手不足が深刻化している中、退職後も関係性を維持し、フレキシブルに再雇用できる体制は、他企業にも良い影響を与える可能性が高い。魅力的な商品やサービスを提供しつつ、地域に根ざした店舗経営や商品開発、さらにはデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進を図るイオンリテールの進化に、今後も注目が集まるだろう。