環境に優しい新技術の誕生
岩崎電気が2026年4月に発売予定の「UVC-LED殺菌装置」が注目を集めています。この装置は、環境への配慮を重視した最新技術を搭載しており、特に水銀フリーという点が大きな特徴です。国際的に水銀使用が制限される中、岩崎電気は従来の水銀ランプ技術を進化させ、より環境に優しい光源の開発を進めてきました。
UVC-LED杀菌装置の魅力
新しいUVC-LED殺菌装置は、紫外線のみを用いて対象物を殺菌できるため、特に薬剤を使用せずに安全に処理できるといった利点があります。この装置は、食品包装材や医薬品の容器の表面を効率的に殺菌できる性能を持っています。
この新技術は、265nm波長のUVC-LEDを使用しており、ボトルキャップの外径が30mmのものを毎分900個処理することが可能です。さらに、枯草菌芽胞を99.9%以上不活化できる性能を持っており、試験では3log以上の効果が確認されています。
EBシステムとの組み合わせ
岩崎電気はUVC-LEDに加え、EB(電子線)システムも展開しています。このEB技術は、電子を高速で加速し、フィルムや容器に照射することで瞬時に化学的・物理的変化を引き起こす画期的なものです。EB滅菌の特長には、薬液を用いずに常温で瞬時に殺菌・滅菌が可能で、インライン処理による省スペース化が挙げられます。
このように、EBシステムも水銀フリーで、過酸化水素などの薬剤や仕上げリンサーも不要なため、運用コストを大幅に削減することができます。岩崎電気は40年以上にわたり、500台以上のEB装置を納入してきており、安定性や信頼性が高く評価されています。
環境技術に向けた取り組み
岩崎電気は、「光と環境技術」をテーマに、社会的な課題解決へと取り組んでいく姿勢を示しています。水銀フリー社会の実現に向け、持続可能な産業発展に寄与することで、より良い未来を目指します。この製品は、10月7日から東京ビッグサイト開催予定の「JAPAN PACK 2025 日本包装産業展」にて展示され、より多くの人にその性能を知ってもらう機会が持たれる予定です。
今後、様々な産業での活用が期待されるこのUVC-LED殺菌装置。岩崎電気の取り組みが、環境を守る新たな選択肢となることは間違いありません。私たちの未来に向けたこの一歩に注目が集まります。