次世代MR体験へ、Nreal Ltd.がUnity向けβ版NRSDKを公開

中国発の技術企業、Nreal Ltd.が提供するスマートMRグラス「NrealLight」は、サングラスのような軽快さを持ちながら、複合現実（MR）機能を実現します。重さはわずか88グラム、片目1080pの高解像度ディスプレイを搭載しており、臨場感あふれる体験を提供します。このたび、NrealはUnityデベロッパー向けにソフトウェア開発キットのβ版「NRSDK 1.0 Beta」を公開しました。この新しいキットにより、開発者は既存のアプリにMR機能を追加したり、新たなアプリケーションを容易に開発できるようになります。

「NRSDK 1.0 Beta」は、NrealLightの本体がなくても、例え既存のAndroidネイティブアプリにMR機能を盛り込むことが可能です。デベロッパーは、様々なアプリ、ゲーム、美術館のバーチャルガイドなどを手軽に制作できます。また、2019年8月20日には、日本語による公式WEBサイトも開設され、日本市場への本格的な展開が予告されています。さらに、ARコミュニティイベント「ARISE #1」では、Nrealの経営陣が今後の展望について説明し、多くの注目を集めました。

Nreal Ltd.のCEO兼創設者であるChi Xu氏は、「NRSDKの提供により、開発者はアプリの設計とテストを迅速に行うことができる」とコメントしています。本キットは、空間コンピューティングを活用し、デジタルと現実を融合させるアプリケーションを開発するための基本機能を搭載しています。SLAMやコンピュータビジョンアルゴリズムを利用することにより、6DoF追跡や環境マッピングが可能です。このように、効率的な開発環境を提供することで、顧客のアプリ開発をサポートします。

さらに、「NRSDK 1.0 Beta」にはレンダリング最適化機能もあり、快適な視覚体験を提供するべく配慮されています。画像レンダリングの読み込み時間を短縮し、滑らかな表示を実現しています。また、NrealLightのセンサーから得られる生データを用いて、他のSDKと統合することで新たな機能を持つMRアプリを設計することが可能です。

来月には「NrealLight Developer Kit」がグローバルストアで販売開始される予定です。このキットには、本体やコントローラが含まれており、価格は1,199米ドルとなります。開発にあたっては、過去のプロジェクトやアイデアを記入することで選考が行われます。

加えて、「Project Eve」という支援プログラムも用意されており、日本のディベロッパーがNrealLightのコンテンツを開発する際にサポートを受けられます。応募は公式サイトを通じて行えるため、興味のある方はぜひチェックしてください。今後もNreal Ltd.は、革新的な技術とサービスの開発を通じて、MR市場をリードしていくことを目指しています。