物価高騰時代における家庭のやりくり術と生活満足度
家計のやりくりが求められる今日、物価高騰の中で生活者の満足度はどのように変化しているのでしょうか?この疑問に答えるべく、花王株式会社が実施した調査によると、2024年の段階でなんと55%の生活者が自らの暮らしに満足していることが明らかになりました。そこで、今回はこの調査結果をもとに、家庭の財政管理やその工夫の実態に迫ってみたいと思います。
家計の引き締めと満足度の関係
2020年、コロナウイルスの影響で生活満足度は一時的に低下しましたが、その後の2021年には59%に回復。その後、2022年には物価高騰が影響し41%まで落ち込みますが、2023年には再び55%に戻るという変遷を示しました。これは一見すると矛盾するように思えますが、経済的な不安定さの中でも、生活者が工夫をしながら日々を楽しんでいる証拠でもあります。
家計の引き締め意識の変化
2024年には、約57%の人々が「家計を引き締めている」と感じており、その傾向は過去数年にわたって続いています。特に、生活費を見直すことが求められる中で、支出を減らしたいと考えている項目のトップは食料品(44%)です。続いて光熱費や水道代、日用品など、日々の生活に欠かせない支出が並びます。興味深いことに、増やしたい支出では旅行やレジャーなどの心の充実につながる体験が目立っており、46%の方が特に「増やしたい支出はない」と感じている中で、楽しみを求める姿勢も見え隠れしています。
子育て世代の工夫
物価高の影響を特に受けているのが子育て世代です。子どもにかかる教育費や生活費は増加傾向にあるため、彼らのやりくり術にも注目が必要です。家庭での節約のために、安いスーパーを巡ったり、クーポンやポイントを活用することで効率的な買い物を実施している様子が伺えます。また、出費を抑えるために、今必要なものだけを購入し、必要以上のストックは控えるといった工夫も見られました。
心の充実と将来への投資
ただし、節約ばかりではなく、心の充実や将来的な投資も忘れていません。多くの家庭では、必要な支出を抑えつつも、旅行や外食といった家族の思い出づくりにお金を使いたいと考えています。一部の生活者は、例えば「娘と遊べる時間を大切にしたい」「家族揃って外食の時間を持ちたい」といった声を寄せており、心の豊かさも重視しています。
将来に向けては、子どもの教育費や自己投資に熱心に取り組む様子が目立ちます。例えば、学資保険の準備をする家庭や、パートから正社員への転職を考える家庭もあるようです。
まとめ:引き締めと楽しみの両立
厳しい経済環境において、家計を管理することは簡単ではありません。しかし、生活者たちは支出の優先順位を考え、無理のない範囲で楽しみを見出しています。このバランス感覚が、生活の質向上や心の安定、さらには将来的な安心感につながっているのです。今後の生活でも、必要なところにはお金を十分に使いつつ、無駄を省く賢い選択が求められるでしょう。
詳細な調査結果については、こちらのリンクでチェックしてください。
My Kaoくらしラボ(2025年4月掲載)
この調査結果は、花王が運営する「My Kaoくらしラボ」にて公開されており、生活者の実態を知る手がかりとなっています。暮らしに役立つ情報を見逃さずに、自分自身の家計管理に活かしていきたいものです。