愛知の老舗旅館が手掛けたサウナプロジェクト
愛知県蒲郡市に位置する旅館「平野屋」は、2024年に開催される国際的デザイン賞「SKY Design Awards」で金賞を受賞したことが発表されました。この受賞は、同旅館が設計したサウナに対する評価が高まり、国際的な注目を集めている証拠です。ここでは、その魅力に迫りたいと思います。
平野屋の歴史と魅力
「平野屋」は1932年に設立され、地元の三谷温泉での宿泊業を90年以上にわたって営んできた老舗旅館です。その長年の運営の中で、風光明媚な三河湾を一望できる高台に位置し、地元産の食材を活かした料理や天然温泉を提供することで、多くの訪問客に愛されてきました。
しかし、コロナ禍の影響でインバウンド観光客の減少とともに、宿泊業での独自性を出すことが求められるようになりました。その中で旅館は「温泉と食事だけでは差別化が難しい」と感じ、新たなサービスとして日帰りサウナ事業に目を向けることにしました。
サウナの設計と特徴
サウナの設計を手掛けたのは、地元蒲郡出身の建築家伊藤隆一氏です。彼は旅館の修繕の際に関与しており、この設備投資においても信頼を寄せたパートナーとして選ばれました。伊藤氏には「昔からなじみの風景や音、匂いを感じられる空間を作りたい」という要望が伝えられました。その結果、完成したサウナは多くの賞を受賞し、特に「SKY Design Awards 2024」のレジャーウェルネス部門で金賞を獲得しました。
サウナは、自然と人工が融合した空間を特徴としており、周囲の景色と調和しながら人々を癒す役割を果たしています。その設計には、利用者の心に響くような静かな空間が意識されており、シンプルで穏やかな素材が選ばれています。利用者がサウナで「ととのう」体験を通じて自身を見つめ直す特別な時間を提供しています。
受賞歴と今後の展望
平野屋のサウナはすでに「日本空間デザイン賞2023」や「DFA Design for Asia Awards 2023」など、多くの国際的なデザイン賞を受賞しています。これらの受賞歴は、平野屋が提供するサービスの質を証明するものです。また、サウナのデザインは、天候や季節によって様々に表情を変えることで、訪れる人々に新たな体験をもたらしています。晴れた日には光が満ち、雨の日には苔の音が心地良く響く、そんな当たり前でありながら特別な空間が広がっています。
最後に
平野屋のサウナはそのデザインコンセプトにとどまらず、地方の観光ビジネスが新たな方向性を示す成功例として注目されています。今後も地域の魅力を生かしながら、多くの人々に愛され続ける旅館としての役割を果たしていくことでしょう。ぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか?
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