職場の人間関係が退職理由の主要因に～アクシスワンの取り組みが注目される

近年、会社の退職理由として「働く環境や人間関係のミスマッチ」がクローズアップされています。株式会社アクシスワンが実施した調査によると、退職経験のある人の中で、退職理由を本音で表さず、建前で言った人が42.5%に上ることが分かりました。特に、「職場の人間関係が悪い」と感じている人が多く、その結果、数を増やした転職者の数は、2019年には過去最多を記録しています。

調査の背景と結果

総務省と厚生労働省によるデータからも、転職者数は増加傾向にあり、特に「より良い条件の仕事を求めるため」という理由が顕著になっています。2020年からの新型コロナウイルスの影響で転職数は減少しましたが、近年のトレンドからは、自分の意志で転職する人々が今後も増加することが予想されます。そこで、アクシスワンが注目したのが「インサイダーゲーム」というユニークなアプローチです。

インサイダーゲーム導入の意義

アクシスワンは、このゲームを使った会社説明会を実施し、入社後のミスマッチを減少させるという新たな試みを取り入れました。この説明会により、応募者数は平均して1.57倍、参加者数も1.72倍に増加し、さらに離職率も58.4%から18.2%へと大幅に減少しました。実際の社員と一緒にゲームをすることで、応募者は社内の雰囲気を体感することができ、より具体的な職場環境を理解することができます。

社員の声

多くの参加者は、ゲームを通じて「社内の雰囲気が理解でき、応募を決定する重要な要因になった」と答えています。これにより、社内のコミュニケーションが促進され、採用後の定着率も向上しました。アクシスワンの代表取締役南口彰歓氏は、「一方通行な説明会ではなく、ゲームを通して双方向のコミュニケーションが生まれる」と語ります。

ミスマッチを解消するために

このアプローチは、会社側にも大きなメリットがあります。例えば、働く社員とのコミュニケーションを通じて、軽視しがちな「人間力」を見極めることができます。特に営業職など、対人スキルが重要な職種では、その人の本質を見抜く手段ともなり得ます。さらには、職場環境がわかることで、応募者自身の意思決定にも大きく影響し、ミスマッチを未然に防ぐ手助けとなります。