料理の楽しさを子どもたちに伝える秋元さくらさんの出前授業
福井県坂井市の平章小学校に、特別な授業が行われました。美食育アンバサダーとして初めての活動となるこの日は、フランス料理店のオーナーシェフ、秋元さくらさんが登場。彼女は、2023年6月にこの役職に就任し、地元の子どもたちに料理の楽しさを教えることを目的としています。
授業は2023年10月3日に行われ、4年生の38人が参加しました。秋元さんは手元にある愛用のプライパンを巧みに使い、児童たちの目の前でふわとろなオムレツ作りを披露。この日は、単なる料理教室ではなく、食の大切さを学ぶ貴重な機会でもありました。子どもたちは秋元さんの指導のもと、フルーツサンドやオムライスを一緒に作り、一層料理への興味が高まったようです。
秋元さんの料理への情熱
授業のスタート時、秋元さんは自らの料理への思いや人生の転機について語りました。本来はCA(キャビンアテンダント)でありながら、世界中の食文化に触れた経験が、料理人としての道を選ぶきっかけとなったといいます。彼女は「料理ってすごい!」という思いをもとに、自身の経験を通して生まれた人脈や、その後の料理観について話し、子どもたちに食の世界への興味を引き出しました。
楽しい料理体験
調理室では、児童たちは各自材料の準備をし、秋元さんと一緒にフルーツサンドづくりを開始。地元のシャインマスカットやメロンを使い、色鮮やかにパンに盛り付けられたサンドイッチは、見た目にも美しい出来栄えです。その後はオムライス作りに移行しました。秋元さんは特に定評のある19cmのプライパンの使い方を紹介し、児童たちは彼女の動きに注目しながら料理を楽しみました。
「オムレツができた!」という声に続いて、見事に黄色いオムレツが完成し、子どもたちは歓声を上げました。それからケチャップをかけ、思い思いの模様を描いて、オムライスの完成を祝い合いました。すべての工程を通じて、彼女は常に笑顔を絶やさず、子どもたちと一緒に楽しさを共有しました。
食育の大切さ
授業が進む中、秋元さんは子どもたちと対話をしながら、食べ物への理解を深めていきました。「どうしてこの食べ物が嫌いなのか?」と質問し、「成長するにしたがって、その食材の良さがわかるようになるよ」と話すことで、自身の食経験を共有し、積極的なコミュニケーションを図りました。そして、家庭料理には「愛情ホルモン」が宿っていることを説明し、家庭での料理が持つ大きな力を伝えました。
これからの活動
授業の最後には、参加した全員で秋元さんを囲み、笑顔で記念撮影。彼女は「子どもたちとの料理は初めてだったが、楽しく、良い反応をもらって嬉しかった」と振り返りました。また、地域の食材への理解を深めるために、生産者を訪れ、地元の美味しさを感じてもらうような活動にもつなげていきたい考えを示しました。
最後に、参加した小林凜音さんは、「今日は普段作っていない料理に挑戦して、家族にも食べてもらいたいと思った」と振り返り、子どもたちの素直な反応が印象的でした。秋元さくらさんの活動は、全国的にも珍しく、地元の食育活動の一環として行われているこの美食育アンバサダー活動は、今後も注目されることでしょう。