鹿児島県宇検村で始まる公共ライドシェアの新たな試み

鹿児島県宇検村は、株式会社パブリックテクノロジーズと連携し、2025年10月から公共ライドシェアの実証運行を開始します。このプロジェクトは、国土交通省の提案する「交通空白解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト」に基づくもので、地域の移動ニーズに応えることを目指しています。実証運行は「パブテクAI配車」を用い、宇検村全域を対象に行われる予定です。

背景と地域の課題

宇検村では、かつては路線バスやグリーンスローモビリティが交通の支えとして機能していましたが、人口減少や高齢化が進むなか、バス路線の縮小や休止が相次ぎました。このため、特定の時間帯には公共交通が利用できない「交通空白」が生じ、住民の移動ニーズへの対応が難しくなっていました。この課題を解決しようと、地域住民や交通事業者、行政が連携し、持続可能な公共交通体制の構築に取り組まれることとなりました。

PAブテクAI配車の導入

今回の実証運行において使用される「パブテクAI配車」は、AI技術を活用して利用者の予約に基づいた最適な車両や経路を自動的に算出する配車機能を搭載しています。これにより、利用者はアプリや電話で簡単に予約できるだけでなく、ドライバーやオペレーターも効率的に運用できる環境が整備されています。

特徴と運行概要

この公共ライドシェアの具体的な運行内容は、2025年10月1日から2026年2月27日までの実証期間中、月曜から土曜まで運行される予定です。利用料金は200円からで、70歳以上の村民および高校生は無料で利用可能です。村内全域を対象とし、交通事業者や村外バス停への接続便も設けられるため、住民の利便性が向上します。