日本企業のPER向上を目指したIR支援会社の統合発表会
株式会社リンクソシュール(以下、リンクソシュール)の代表取締役社長、白藤大仁氏による記者発表会が開催された。これは、リンクソシュールが新たにジャパンストラテジックファイナンス株式会社(JSF)およびChorus Call Asia株式会社(CCA)をグループに迎え入れることを発表するもので、企業のIR支援を強化する狙いがある。
この統合によって、リンクソシュールは国内の上場企業約4,000社の中から1,000社の支援が可能になる見込みだ。IR(インベスター・リレーションズ)領域において、国内最大規模のシェアを持つことになる。発表会では、この統合の目的と背景が3社の代表者から詳しく説明される。
統合の意義と期待
今回の統合は、URサポートの質を向上させ、より多くの企業に価値提供することを目的としている。特に、リンクソシュールは、IRに関する支援を通じて投資家から選ばれる日本企業を育てることが期待されている。
浜辺真紀子氏が招聘され、現在の日本企業のPER(株価収益率)が低位にある理由や課題を示しながら、企業が持つべき未財務資本(優れた技術資産や人的資本)についても解説がなされる。投資市場全体の課題の認識も深まるだろう。
課題提起と解決策
発表会では、特に2つの課題が提起されている。1つ目は、「開示のルール順守」に偏り、形式的な情報提供になっていること。これは、企業が重要な情報を提供する際、独自性が乏しくなり、株主にどのように訴求するかが重要となる。
2つ目は、経営陣が効果的に資本市場と対話する能力不足だ。この問題に対処するためには、経営側が自身の事業の強みをアピールし、投資家とのコミュニケーションを充実させる必要がある。
統合による新たなアプローチ
リンクソシュールは統合を通じて、企業の固有の魅力を発信し、PER向上に寄与することを目指す。IRイベントをよりインタラクティブな場に変える試みも進められ、投資家からの期待を集める戦略が打ち出される。
発表会の概要
発表会は2025年9月11日(木)14:30から30分間で行われ、リンクソシュールのオフィスおよびZoomでのオンライン配信が併用される。出席を希望するメディア関係者は、事前に申し込みが必要となっている。
このように、IR支援会社の統合が日本企業の投資環境を改善し、PER向上に繋がる施策として期待されている。企業は、ただの情報提供者になるのではなく、投資家との対話を推進し、双方にとってメリットのある関係を築く必要があることが再認識されるだろう。