クリーンクリートPC床版
2025-10-10 10:57:21

未来のインフラを支える「クリーンクリートPC床版」が登場!

大林組が開発した「クリーンクリートPC床版」



東京都港区に本社を置く株式会社大林組は、環境への配慮から2050年を目標とするカーボンニュートラルの実現に向け、新たな建設資材として「クリーンクリートPC床版」を開発しました。これは、製造時のCO2排出量を67%削減する画期的なプレキャストPC床版です。

1. 開発の背景



建設業界では、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが急務となっています。特に、製造過程での多くのCO2を排出するセメントの使用を抑え、低炭素型のコンクリート材料を導入することが求められています。また、日本国内では多くのインフラが老朽化しており、2030年には道路橋の約54%が築50年を超えると予測されています。このリニューアルには、従来の鉄筋コンクリート製の床版から、耐久性に優れた低炭素型のプレキャストPC床版への替えが必要です。

2. クリーンクリートPC床版の特長



新たに開発したクリーンクリートPC床版は、以下の特長を持っています。

(1) 初期強度の向上


従来のプレキャストPC床版では、製造時にコンクリートが十分な強度を発現しなければならないという課題がありましたが、クリーンクリートPC床版は、ブレーン値4,000cm2/gの高炉スラグ微粉末と早強ポルトランドセメント、特殊混和剤を使用し、蒸気養生を行うことで初期強度を向上させました。この工夫により、通常のコンクリートと同様の製造サイクルとコストを実現しています。

(2) 塩害に強い長寿命化


この床版には高炉スラグ微粉末が含まれており、コンクリートの緻密性が向上しています。これにより、海岸沿いや降雪地域においても、塩化物イオンの浸透を防ぎ、床版の劣化を防止することが可能です。具体的には、塩化物イオン拡散係数を一般的なコンクリートと比較して約6分の1まで低減させています。

(3) 大幅なCO2削減


家ロンのスラグ微粉末を75%配合することで、製造時のCO2排出量を67%削減しています。従来のプレキャストPC床版に比べ、大幅な環境負荷の低減が期待されます。

3. 今後の展望



大林組は、このクリーンクリートPC床版の技術を駆使し、橋梁のリニューアルと環境負荷の低減を同時に進めます。今後も、低炭素型資材の活用に取り組むことで、安全で持続可能なインフラの構築を目指していきます。大林組の積極的な取り組みが、カーボンニュートラル社会の実現にどのように貢献するかを注目したいところです。


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会社情報

会社名
株式会社大林組
住所
東京都港区港南2-15-2品川インターシティB棟
電話番号

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