日本初のインパクト・アナリスト研修が始動、社会課題解決に向けた資金提供を実現

社会的インパクトを生む資金提供の新たな一歩

近年、世界中で社会的および環境的な課題が相次いで顕在化しています。このような状況を受けて、ESG（環境・社会・ガバナンス）投資が主流となりつつあり、全運用資産の3分の1を占めるまでに成長しています。また、特に社会問題の解決を目指すインパクト投資市場も、黎明期を経て成長期に入ってきています。日本国内でのインパクト投資残高は、すでに約5,126億円に達しており、今後の発展が期待されている分野です。

このような背景の中、一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブは2022年6月から、インパクトファイナンスに特化した「インパクト・アナリスト研修」を開講すると発表しました。この研修は、社会的課題の解決や価値の創造に貢献したいと考える資金提供者を対象にしており、特にインパクト測定やマネジメント（IMM）の専門的な知識を身につけることを目的としています。

インパクト・アナリスト研修「基礎編」の詳細

「インパクト・アナリスト研修」は大きく三部構成されており、基礎的な知識を学ぶ「基礎編」、実践的なスキルを習得する「実践編」および特定テーマに深く掘り下げる「選択講座」が用意されています。

まずは「基礎編」について詳しく見ていきましょう。このプログラムでは、インパクトファイナンスに関する総合的な基礎知識を習得することができます。受講者は、インパクトファイナンスを推進する第一線の専門家から、全6回にわたる講義やグループワーク、事例研究を通じて学びます。特に、インパクトアナリストとして求められる社会的インパクトの適切な処理方法に焦点を当てており、社会課題に対する理解を深める良い機会です。

実施概要

- 名称: インパクト・アナリスト研修「基礎編」
- 開催日: 2022年6月3日（金）から8月9日（火）
- 開催形態: オンライン（Zoomなどの会議システムを使用）
- 受講対象: 社会課題解決に意欲的な資金提供者（金融・投資機関、助成財団、コミュニティ財団など）で、IMMの専門能力を身につけたい方。
- 参加方法: 受講申込書を締切日までに提出する必要があります。
- 参加費: 一般価格88,000円（税込）、SIMIエンゲージド・メンバー価格83,000円（税込）。
- 主催: 一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ
- 後援: GSG（The Global Steering Group for Impact Investment）国内諮問委員会

この研修は、国際交流基金との協力で行われ、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が集まり、インパクト投資の知識を深める場となります。

社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブについて

一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブは、社会的インパクトを生み出す活動を推進し、課題解決や社会価値創造を目指す団体です。本法人は、2016年に設立された「社会的インパクト評価イニシアチブ」を前身としており、2020年に法人化されました。

彼らは、国内外の知見を融合しつつ、日本独自の実践知を国際的に発信し、人材育成や実践ツールの開発に取り組んでいます。これにより、社会的インパクト・マネジメントの普及を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。