NTT東日本がアクアポニックスでオタネニンジン栽培に新たな風を吹き込む
NTT東日本株式会社は、2026年6月に東京都調布市に新たに設立される「Aquaponics Lab」にて、オタネニンジン(高麗人参)のスマート栽培モデル確立を目指す実証実験を開始します。この取り組みは、アクアポニックス技術とICTを組み合わせ、環境データを活用して新たな栽培方法を探求するものです。実験の背景には、オタネニンジン栽培の伝統的な課題が横たわっています。収穫まで数年を要し、連作障害が起こりやすいこの作物は、安定供給が難しく、土地への負担も大きいとされています。さらに、近年の輸入依存によるサプライチェーンリスクは、国内での持続可能な生産体制を求める声をさらに強めています。
アクアポニックス技術とその利点
アクアポニックスとは、魚の養殖と植物の水耕栽培を組み合わせた循環型農法であり、リソースを効率的に活用できる点が特徴です。このシステムを導入することで、オタネニンジンの生育に最適な環境を整えることができるとともに、環境負荷を軽減しながら高付加価値化を図ることが期待されています。
実証実験の基盤
本実証実験では、NTT東日本が提供する各種センサーを用いて、温度や照度、水質などオタネニンジンの生育に影響を与える環境データを収集します。このデータをもとに、AIを活用した相関分析を行い、生育に最も適した環境条件を導き出します。また、稼働中の管理作業や環境制御に関しては、同社のデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションを活用し、自動化や省人化の検証を行っていきます。
実証施設の詳細
Aquaponics Labの所在地は東京都調布市にあり、実際の栽培風景が見学できるスペースも設けられています。見学を希望する方は、指定のメールアドレスに連絡することでこれに参加できます。
今後の展望
本実証を通じて、オタネニンジンの各部位(根・茎・葉)の有効成分を可視化し、これまで利用されてこなかった部分の可能性も探ります。最終的には、これらの取り組みを通じて地域経済を活性化し、持続可能な農業モデルの実現を目指します。今後、企業や自治体と連携し、新たな栽培モデルの社会実装に向けて進むことが期待されています。
各社の役割
- - NTT東日本: ICTとアクアポニックス技術を活用し、最適な育成環境の設計・検証を担当。
- - 再春館製薬所: 栽培したオタネニンジンの新たな活用法を模索。
- - テクノ―ブル: 栽培したオタネニンジンの成分分析を行います。
このプロジェクトは、先進技術と伝統的農業の融合を実現する第一歩として位置づけられ、次世代農業の可能性を広げることに寄与するものでしょう。