旧上野市庁舎ホテル「泊船」再生プロジェクト
三重県伊賀市にある旧上野市庁舎が、モダニズム建築の名作として再生され、新しいホテル「泊船」として2025年夏に開業します。このプロジェクトは、船谷ホールディングスグループが進めており、地域の文化と歴史を感じられる独特の宿泊体験を提供することを目指しています。
旧上野市庁舎の歴史
旧上野市庁舎は、名建築家坂倉準三によって1964年に竣工されました。伊賀上野城の丘陵や周囲の山々と調和したデザインが特徴であり、市民のための開かれた空間として広く利用されてきました。この建物は、坂倉氏の「建築は生きた人間のためのもの」という信念を体現しています。
再生計画の概要
今回の再生計画では、旧庁舎の魅力を活かしつつ、新たな機能を盛り込むことを目的としています。具体的には、以下の3つの主要な機能を設けます。
1.
図書館: まちの情報拠点とし、観光客のみならず地域の人々が利用できるスペースを提供します。
2.
ホテル: 旧庁舎の良さを生かしたスモールブティックホテルとなり、訪れる人々に伊賀の文化を体験してもらいます。
3.
観光交流エリア: 地域の魅力を知ってもらうための交流の場を設け、観光促進に寄与します。
ホテル「泊船」の特徴
ホテル「泊船」は全19室の客室を有し、宿泊者に快適で心安らぐ滞在を提供します。また、宿泊客は館内で坂倉準三の思想やデザインが息づく空間を体験できるだけでなく、共用部では伊賀の文化に触れるための展示やイベントも予定されています。これにより、訪れる人々は単なる宿泊者から、地域の文化を楽しむ旅人へと変わることができます。
建築パートナーの役割
再生にあたり、建築設計を手がけるのは、MARU。architectureによる高野洋平氏と森田祥子氏です。彼らは、現代建築の視点から旧庁舎を再生しつつ、地域の歴史や文化を重んじる設計を行っています。そのため、再生後のホテルは単なる宿泊施設にとどまらず、地域の情報発信地としての役割も担うことになるでしょう。
まとめ
旧上野市庁舎が再生してホテル「泊船」として開業することで、訪れる人々は歴史的な建物での宿泊と共に、伊賀の文化に触れる貴重な体験ができることとなります。2025年夏のオープンが待ち遠しいこのプロジェクトは、地域の活性化にも大きく寄与することが期待されています。公式ウェブサイトも開設されており、今後の情報にぜひ注目していきたいところです。
泊船公式サイト
会社情報
船谷ホールディングスグループは、1877年に創業し、地元三重県でさまざまな事業を展開してきました。このプロジェクトを通じて、地域の文化を大切にしながら新たな価値を創出していくことが期待されています。