落合朗風の芸術世界を54年ぶりに探る展覧会が島根で開催
島根県立美術館では、開館25周年を記念したオリジナル企画展「落合朗風明朗美術連盟と目指した世界」を2024年9月20日から11月4日まで開催します。この展覧会は、大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家、落合朗風に焦点を当てています。朗風は、その業績から藤田嗣治らとも並ぶ異才とされ、55年ぶりという長い間隔を経て大規模展覧会が実現しました。展覧会では、朗風の父親が島根県の出身だったことから、島根県ゆかりの画家としての一面も強調されます。
開催概要
この展覧会は、島根県立美術館の企画展示室で行われ、開館時間は9月が10:00から日没30分後、10月から11月には10:00から18:30までと設定されています。休館日は火曜日で、観覧料は一般1,100円、大学生800円、小中高生400円で、オンラインやローソンチケットでも事前購入が可能です。
55年ぶりの大規模展
残念ながら、島根県で朗風の単独展が開催されるのは、69年の遺作展以来となります。今回の特別展では、若き日の作品から最晩年の絶筆まで幅広く展示され、朗風が目指した「日本画」の未来を形作るための思考と努力を感じ取ることができるでしょう。
特に印象的なのは、全国から集められたオリジナル企画展であり、個人蔵の貴重な作品が一堂に会する機会はこの美術館でしか得られません。たとえば、山形県の鶴布山珍蔵寺に所蔵されている《華厳仏》や、京都市美術館蔵の《梅ヶ畑の麦秋》などがあります。
同時代の画家作品の展示
さらに、朗風と同じ時代に活動した藤田嗣治らの作品も展示される予定で、彼らとの交友や影響関係についても考察される予定です。また、朗風が創設した「明朗美術連盟」の活動に注目し、その理念を探ることができるコーナーも設けられています。この団体は、学歴や派閥を超えた自由な表現を求める現場として重要な意味を持っていました。
平田本陣記念館での関連展示
加えて、朗風の故郷にあたる平田本陣記念館でも、関連展として「朗風と大雲展」が同時期に開催されます。スタンプラリーの実施など、県内のアートの楽しみ方を広げる企画も用意されています。
展覧会の内容
展覧会は以下の構成で行われます:
1.
朗らかな風に想いを託して - 大正から昭和にかけての作品を中心にした導入章
2.
心に生きる芸術の追求 - 作品制作の過程と生活を描く章
3.
個人展覧会の重要性 - 朗風の展覧会活動に焦点を当てる章
4.
明朗美術連盟の設立とそのビジョン - 自由な芸術表現について考察
5.
落合朗風とその関わりの深い人々 - 彼の人間関係や交友に基づく作品の展示
さらに、開幕日にはオープニングガラリートークと記念講演会が行われ、さまざまな関連イベントも予定されています。
展示内容、チケット情報などの詳細は、島根県立美術館の公式ウェブサイトを訪問してください。芸術を愛する皆さんにとって、非常に貴重な機会となることでしょう。ぜひお立ち寄りください!