世界睡眠デーに向けた質の高い睡眠のすすめ
3月14日は「世界睡眠デー」。新生活が始まる4月に向けて、しっかりと疲れを癒し、スムーズに目覚めるための質の高い睡眠を確保したいものです。そこで、2025年に実施された調査をもとに、多くの人々が実践している対策を見てみましょう。
調査結果から見る睡眠対策
大正製薬株式会社の調査では、全国の20代以上の男女1000人を対象に「朝、すっきりと起きるためにどんな対策をしているか」を尋ねました。その結果、上位に挙がったのは次のような方法です:
1. 部屋や寝具を快適な温度に設定する(249人)
2. 規則正しい生活を心がける(235人)
3. 食事の時間に気を付ける(182人)
4. 部屋を快適な湿度に保つ(159人)
5. 適度な運動を取り入れる(144人)
6. 朝起きたら朝日を浴びる(121人)
睡眠の質向上のための専門医のアドバイス
日本睡眠学会専門医であり、白濱龍太郎先生は睡眠の質を高めるためには環境づくり、生活習慣、食事が重要だと語ります。以下に、具体的な対策とその理由を紹介します。
日中の過ごし方を見直す
朝日を浴びることは、体内時計をリセットし、活動的になる手助けとなります。日光は特に朝の10時前に浴びると良いとされ、夏は5分程度、その他の季節は30分が推奨されています。また、寝る1~2時間前に38~40℃のぬるま湯に浸かることで、体温を適度に上昇させてスムーズな入眠を助けます。運動も効果的で、たった10分の運動習慣が睡眠の質向上につながることが期待されています。
食事内容の工夫
食事はタイミングによって摂取したい栄養素が変わるため、三食とも内容に気を配りましょう。朝はトリプトファンを含む納豆やヨーグルト、昼はタンパク質と野菜を欠かさず、夜はお酢やGABA、タウリンを含む食品を積極的に摂取することが推奨されます。
水分とお風呂のタイミング
就寝前に適度な水分補給を行い、リラックス効果を得ることで睡眠の質を向上させます。お酒は寝る直前に飲むことは避け、数時間前の食事時に適量を楽しむのが良いでしょう。
快適な環境づくり
暖かい布団で快適な睡眠に導くには、就寝前に部屋を温めたり、適切な湿度を保ったりすることが大切です。理想的な室温は18~23℃、湿度は40~60%とされります。また、照明や音の配慮も重要です。柔らかい光や心が落ち着く音楽を選ぶことで、より快適な睡眠環境を作れます。
睡眠不足のリスク
睡眠不足は日中の集中力や判断力を低下させ、長期的には認知症のリスク増加と関連しています。睡眠は脳の回復と深く関わっており、適切な睡眠を取ることで、質の良い生活を送ることが可能です。それでは、季節の変わり目を健康に過ごすためにも、日々の生活に質の良い睡眠を取り入れていきましょう。