沖縄美ら海水族館がナンヨウツバメウオ繁殖に成功
沖縄美ら海水族館は、2023年に日本初となるナンヨウツバメウオ(学名:Platax orbicularis)の繁殖に成功したことを発表しました。これにより、同館では新たに稚魚の展示を開始し、訪れる人々に沖縄の豊かな海の生態系を紹介します。
ナンヨウツバメウオの特徴
ナンヨウツバメウオは、沿岸のサンゴ礁域に生息する魚で、全長は約50㎝に成長します。この魚の稚魚は、特徴的に枯れ葉に似た形状をしており、初期段階では水面近くを漂う姿が印象的です。成魚になると体色は銀色になり、群れをなして泳ぐ様子が観察されます。
繁殖期間とプロセス
今回繁殖した親魚たちは、2013年から2016年にかけて沖縄島北部から搬入されたもので、繁殖行動が確認されたのは2025年9月14日でした。雄2個体が雌1個体を追う様子が観測され、その後18日に受精卵を回収。無事に孵化した稚魚は、初めは底層を泳いでいましたが、わずか2日で枯れ葉のような形に変わりました。
今回の繁殖成功は、ナンヨウツバメウオのライフサイクルを深く理解するための重要なステップとなります。特に、稚魚から仔魚期への移行において、形態や泳ぎ方が急激に変化することがわかりました。これは、今後の研究や保全活動において非常に貴重な知見です。
生態系保全への貢献
沖縄美ら海水族館は、これまでにも様々な海の生物の繁殖を手がけており、今回はその研究が進化した形と言えます。水族館は、生物の繁殖を通じて訪問者の理解を深め、地域の生物多様性の重要性を広める役割を果たしています。
美ら海水族館について
沖縄美ら海水族館は、「沖縄の海との出会い」をテーマに、美しい沖縄の生態系を再現し、持続可能な観光と地域振興を推進しています。「美ら」の名は沖縄特有の「美しい」や「清らか」を意味し、館の理念を表しています。ここでは、訪れる人々が沖縄の生物多様性や海洋の重要性に触れ、新たな発見をすることができます。
海洋博公園の魅力
また、沖縄美ら海水族館は、国営沖縄記念公園の一部として位置づけられています。この公園には、熱帯ドリームセンターや海洋文化館など多彩な施設があり、沖縄の自然と文化を存分に楽しむことができるスポットです。
続けて訪れる方々には、沖縄の魅力深い海の世界を是非体感していただきたいですね。沖縄美ら海水族館では、今後もさらなる繁殖研究や保全活動を通じて、生物多様性の重要性を広めていくことを目指しています。