AIとペプチド技術による次世代創薬研究のスタート
株式会社ファンペップは、この度、三井物産の完全子会社である株式会社ゼウレカと共同で、AIを利用した特殊ペプチドの創薬研究を始めることを発表しました。本研究では、AIがもたらす高効率な創薬支援が鍵となります。
ファンペップは、独自のペプチド技術を用いて社会課題に取り組む企業で、現在、大阪大学との連携で開発した機能性ペプチド「AJP001」を中心とした抗体誘導ペプチドプロジェクトや、「SR-0379」を含む研究に取り組んでいます。
ゼウレカは、スーパーコンピュータを駆使し、AIや分子動力学シミュレーション技術を用いた創薬支援サービスを提供しています。彼らの知見に基づく指導のもと、ファンペップは新たな治療薬の開発に取り組むことになります。特に、将来的にはゼウレカとの共同研究契約を結ぶ可能性も視野に入れています。
特殊ペプチドとは、主に非天然アミノ酸を含んだペプチドであり、他の創薬技術ではアプローチできなかった標的分子に効果的に結合する可能性を持つ新しい医薬品の形態です。これにより、既存の低分子医薬品や高分子医薬品に比べ、安定性や浸透性に優れた次世代医薬品が期待されます。
また、ファンペップは富士フイルム和光純薬と共同で、mRNAディスプレイ法を活用した特殊ペプチドの探索サービスも展開することになりました。このサービスにより、十数兆種のペプチドから特定の標的分子に強固に結合するペプチドの探索を迅速に行えるようになります。これにより、ペプチド医薬品の数も格段に増えることが見込まれています。
ファンペップの代表取締役社長である三好稔美は、「AI創薬の進展は、従来の枠を超えた新しい治療法の実現につながると信じています。今後も、研究開発を進め、医療の未来を切り拓いていきたい」と語りました。
このように、ファンペップとゼウレカの連携は、医薬品開発における革新の可能性を広げています。AI技術の進展を背景に、より効果的で安全な医薬品の開発が加速することが期待されています。今後の研究成果に注目が集まります。
企業情報
株式会社ゼウレカ
- - 所在地:東京都港区虎ノ門3丁目2番2号
- - 設立:2021年11月1日
- - 事業内容:AI創薬支援サービス提供、共同研究による創薬研究、計算環境(スーパーコンピューター)の提供
- - HP: ゼウレカ
富士フイルム和光純薬株式会社
- - 所在地:大阪府大阪市中央区道修町3丁目1番2号
- - 設立:1922年6月5日
- - 事業内容:試薬、化成品、臨床検査薬の製造・販売
- - HP: 富士フイルム和光純薬