リファラル転職の実態を探る
株式会社コーナーが行った「リファラル実施のモチベーション実態調査」によれば、友人や知人へのリファラル経験がある人は約20%しかおらず、その中でも最も影響力が大きいのはやはり『友人』であることが明らかになりました。27.8%の人が『知人』からの紹介を受けて転職を考える一方、両親や配偶者からの影響はそれぞれ17.8%、15.5%と低いことから、職場での信頼関係が紹介の決め手となっていることが分かります。
調査結果のハイライト
調査によれば、リファラルが働く意向に与える影響の大きさは友人によるものが最も高く、転職者の価値観を良く理解している人の紹介が鍵だとされています。元同僚や元上司からの紹介も影響力は大きく、これらのケースからは、実際の職場経験の共有が判断に与える影響力が強いことが伺えます。反対に、知人や家族からの紹介は影響があまり大きくないため、実際に一緒に働いた経験が重要であることが示唆されています。
リファラルをためらう理由には『紹介責任を持ちたくない』という意識が46.1%に上ります。これは、友人や同僚に自社を紹介する際の信頼関係が重圧になりうることを示しています。さらに、36.2%が『給与や昇給が良くない』ことを理由に挙げており、紹介時に給与が低いとすぐに信用を失う可能性があります。
リファラルを促進するためのインセンティブ
報酬に関するデータでは、リファラルを促進するインセンティブが『1~5万円未満』であると回答した人が24.9%でした。一方で、報酬がなくても良いと考える人も24.1%おり、友人や知人との信頼関係が先行することが比較的多いことが見受けられます。高額な報酬があることでリファラルの意欲が高まる側面もありますが、代理責任や職場環境という非金銭的要素も無視できないと言えます。
企業が目指すべきリファラル環境
株式会社コーナーの代表取締役、門馬貴裕氏は『リファラル転職には、紹介者と受け手との信頼関係が強く影響する』と述べています。特に、職場環境の良好さや福祉制度は、紹介者が人を紹介したくなるかどうかの基準となることが分かってきました。
企業は、単に報酬を増やすだけでなく、安心して推薦できる環境を築くことが求められます。信頼できる職場でこそ、従業員は仕事仲間を紹介しやすくなるのです。リファラルの仕組みを効果的に構築することで、紹介者が減少するのを防ぎ、転職希望者を集めやすくなります。
この調査結果は、企業がリファラル採用を行う上で重要な指標となり、自社の魅力を理解してもらった上で、志願者が増える環境を整えることを目的としています。友人や信頼できる同僚との人間関係を大切にし、気軽に紹介し合える環境を作ることが、リファラル採用成功のカギとなるでしょう。