新幹線開業を機に進化するあわら温泉と観光人材育成の取り組み

あわら温泉と観光人材育成の新たな取り組み

2024年春、北陸新幹線が新たに開業することを受け、あわら温泉は観光業の振興と人材育成に向けた新たな試みを始めました。このプロジェクトは、大阪観光大学、福井県観光連盟との「産・官・学」の連携によって実現したもので、地域の観光業界に新たな風を吹き込むことを目指しています。

近年、コロナ禍の影響で観光客が減少し、働き手の不足が深刻化しています。このため、多くの宿泊施設が余剰の客室を抱える状況が続いています。あわら温泉の旅館や宿泊施設は、観光業の未来を担う若者たちの力を求めています。そのため、観光業界の魅力を的確に伝え、次世代の人材を育成し、観光業への認識を改めてもらう必要があります。

「観光業はきつい仕事だ」というイメージを一新したいと語るグランディア芳泉の若旦那、山口高澄氏は「本当に面白い仕事です」とその魅力を訴えます。また、べにやの女将、奥村智代氏も「若い人たちに旅館の仕事の楽しさを知ってほしい」と熱心に伝えています。彼らの情熱的な姿勢は、観光業界の未来を支える大きな力となることでしょう。

このプロジェクトでは、大阪観光大学の観光学部・観光学科キャリアセンター長、五嶋俊彦准教授との連携により、学生たちに観光業への興味を持たせることを目指します。また、観光業の現場を理解しながら、楽しい学生生活を送ることができるよう、しっかりとした学びの場を提供します。

具体的には、6月14日、21日、28日の3日間にわたり、オンラインでの講座が開催されます。各回には、旅館業界経験者が講師として登場し、リアルな業界の声を学生たちに届けます。1回あたり90分の講座を通じて、観光業界の魅力を実感し、自身の将来のキャリアを考えるきっかけを提供します。

福井県は、新幹線開業に併せて観光業に力を入れており、「地域の魅力を伝え、観光客を迎え入れる仲間を求めています」と語る福井県観光連盟の代表も、学生たちの参加を温かく歓迎しています。関西や関東の大学とのさらなる連携も計画されており、観光業が地域に与える影響を大いに高めることが期待されています。

この取り組みを通じて、観光業に新たな風を吹き込み、地域の魅力を再発見し、次世代の観光人材を育成するための先駆けとなることを心から願います。観光業の未来を担う明るい目を持った若者たちが、あわら温泉から新しい観光コンテンツを創出し、福井県全体の発展に寄与することを期待してやみません。