新たなサステナブルアパレル製造プロジェクトの概要
株式会社Virtusizeが株式会社オンワードデジタルラボとの連携を発表し、バーチャル試着を通じた新しいプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、ティアクラッセ株式会社が展開するDtoCブランド『Tiaclasse』のためのものであり、来年の春夏シーズンに向けた製品開発に重要な役割を果たすことを目的としています。
本プロジェクトでは、データを基にした製造プロセスの効率化、ユーザー満足の向上、そして環境に優しいサステナブルな製品づくりを実現します。特に、アパレルEC業界におけるサイズ不一致の課題を解決するため、Virtusizeのバーチャル試着技術がフル活用されます。
アパレルEC業界が抱える課題
アパレルEC業界では、オンライン購入時にサイズの不一致が頻繁に発生し、結果として返品や廃棄が増えています。これにより、顧客満足度が低下し、環境負荷も増大しています。さらに、ブランド側にとっては需要予測の難しさが生産効率に影響を与えています。
このような背景を受け、Virtusizeはデータドリブンなアプローチで、顧客、ブランド、地球にとってのWin-Win-Winの世界を目指すことを決定しました。
プロジェクトの目的と解決策
本プロジェクトでは、次の3つの主要目標を掲げています:
1. ユーザー満足度の向上
2. 消化率の向上
3. サステナブルな製造への移行
具体的には、Virtusizeが持つ1,500万体分の身体データとユーザーから取得したサイズ情報を活用し、詳細なフィット感を提供します。これにより、顧客は適切なサイズの服を見つけやすくなることが期待されています。また、需給の予測を高めることで在庫ロスの削減や環境への負荷軽減も図ります。
データを活用した具体的な取り組み
プロジェクトの中核には、データ活用による精密なサイジングがあります。Virtusizeのデータと『Tiaclasse』ブランドの生産データを照合した結果、従来のJIS規格ベースのサイジングが実際の購買層の実態と乖離していることが判明しました。特に、年齢と共に変化しやすいウエストやヒップ周りにおいて、適切な対応が不可欠です。
次季コレクションに向けては、パンツのデザインを見直し、股上を深めたりタックを増やすことで、よりフレンドリーなフィット感を実現します。また、デザインの際にはユーザーのフィードバックも大切にし、「ぴったり」な商品を提供するために努めています。
今後の展望
Tiaclasseのご担当者によれば、実店舗を持たないブランドとしてオンライン販売を行う中で、試着の機会が限られていることが課題でした。しかし、Virtusizeのデータを活用することで、顧客のサイズ感についての理解が深まり、満足度向上に貢献することが可能です。
VirtusizeのCEOであるアンドレアス氏は、「膨大なデータを製造過程に応用することで、さらに『ぴったり』なファッションを提供することを目指しています」と語ります。将来的には、より多くのブランドと連携し、業界全体で持続可能な成長を図っていく計画です。
この強力なイニシアティブを通じて、Virtusizeとオンワードデジタルラボは、ファッション業界に新しいスタンダードをもたらすことを目指しています。欲しい服をもっと手軽に、よりサステナブルに手に入れるための努力が進んでいます。