職場におけるハラスメントの実態と意識調査の結果
エフアンドエムネット株式会社、代表取締役社長の上枝康弘が率いるこの会社は、管理部門向けのビジネスメディア「労務SEARCH」を通じて、職場のハラスメントについての調査を実施しました。対象は10代以上の男女300名であり、職場でのハラスメント経験やその認識、対応についての詳細が明らかにされています。
調査結果の概要
調査によると、約70%の回答者が職場でハラスメントを見聞きした経験があり、そのうち5割以上が実際にハラスメントを受けた経験や不快な経験を持つことが確認されています。特に目立つのは、パワーハラスメントが最も多いという結果です。
1.
ハラスメントの境界線に対する認識:
調査に参加した人たちの62.3%は、ハラスメントの境界線を認識しているつもりであるものの、その認識に自信がないことを示しています。このことから、法的な背景や対策が整いつつある中でも、個々の意識はまだ不十分であることが分かります。
2.
被害状況の実態:
職場でハラスメントを受けた経験があると回答したのは39.4%、不快な経験がある人は13.3%と、全体の52.7%が何らかのハラスメント経験を持つというのは深刻な数字です。
3.
ハラスメントの種類:
職場でのハラスメントの種類に関しては、74.6%がパワーハラスメント、14.4%がセクシャルハラスメントと続き、モラルハラスメントも5.1%と少数ながら認知されています。これにより、パワーハラスメントが主な問題であることが確認されました。
ハラスメント行為者の特性
調査では、ハラスメントの行為者は主に「上司」であるという結果が8割を超えたことが注目されます。性別によるデータでは、行為者の70%が男性であり、年齢層で最も多いのは50代とされています。これは、職場内の上下関係を背景にした問題が根深いことを示唆しています。
対応の実態
職場でハラスメントを受けた際の対応については、最も多かったのは「何もしなかった」との回答で、これは約4割に達します。このような反応は、適切な相談窓口が明示されていないことや、会社に対する不信感が影響していると思われます。実際に会社に知らせなかった理由として最も多いのが「会社が適切に対応してくれないと思った」とするものです。
改善への期待
今回の調査結果からは、職場のハラスメント防止態勢が十分ではないことが浮き彫りになりました。企業に求められるのは、明確なハラスメントの定義とその防止策の制定、さらに企業文化の改善です。事業主は、今回の結果を肝に銘じて対策を講じるべきです。
「労務SEARCH」では、今後もこのような調査を通じて、労務管理に関する重要な情報を発信していく予定です。この問題に対しては、全ての企業が向き合い、解決への道を模索することが求められています。
調査概要
- - 調査対象: 10代以上の男女300人
- - 回答者の年代割合: 10代(0.6%)、20代(16.0%)、30代(36.0%)、40代(30.7%)、50代(13.7%)、60代以上(3.0%)
- - 調査手法: インターネット調査(クラウドワークス使用)
- - 調査日: 2024年6月26日~2024年7月10日
このデータは今後の対策の指針となるでしょう。私たち全員が、より良い労働環境を目指して取り組んでいく必要があります。