デジタルデザイン業界の進化を映し出す鏡: ReDesigner Design Data Book 2024
デザインカンパニーの株式会社グッドパッチが運営するデザイン人材のキャリア支援サービス「ReDesigner」は、2024年、企業のデザイン投資やデザイナーの働き方のトレンドを可視化する年次調査「ReDesigner Design Data Book 2024」を公開しました。本調査は、日本のデジタルデザイン業界の現状と未来を理解するための重要な指標となります。
企業におけるデザイン投資の進化: 変化の兆し
調査結果によると、企業におけるデザイン投資は、単なる見た目だけのデザインから、ビジネス戦略に直結する重要な要素へと変化していることが明らかになりました。特に、デザインエグゼクティブ層への投資が拡大しており、CDO(チーフ デザイン オフィサー)やCCO(チーフ クリエイティブ オフィサー)といった役職を持つ人材への期待が高まっていることがわかります。
さらに、デザイン組織のあり方にも大きな変化が見られます。従来の事業部付から独立したデザインセンターへの移行が進むなど、デザイナー独自の組織や仕組みを構築する企業が増加しています。これは、デザインが単なる部門ではなく、企業全体の戦略的な意思決定に深く関わる重要な役割を担うようになったことを示しています。
人材獲得から育成・定着へ: デザイン人材の価値向上
一方で、デザイン人材の採用難は依然として課題として残っており、企業は採用だけでなく、育成や定着にも力を入れる必要性に迫られています。調査結果では、採用後のパフォーマンスが期待通りに発揮されないという課題を抱える企業も増加しており、デザイン人材の育成と定着は、企業にとって重要な戦略課題となっています。
デザイナーのキャリア志向: 新たな時代の到来
デザイナー側のトレンドとしては、ジュニア層の増加が目立ち、デザイン業界の裾野が広がっていることがわかります。しかし、企業側のデザイン投資の変化とは対照的に、デザイナー側の働き方への意識やキャリア志向は大きな変化は見られません。企業とデザイナーの双方にとって、より良い未来を創造するためには、このギャップを埋めることが重要です。
未来への展望: 企業とデザイナーの共存
ReDesignerは、本調査の結果を企業とデザイナー双方に役立て、デジタルデザイン業界の発展とデザインによる価値創造に貢献していくことを目指しています。企業におけるデザイン投資の進化、デザイン組織の変革、そしてデザイナーのキャリア志向の変化を理解することは、今後のデジタルデザイン業界の未来を予測し、より良い未来を創造するために欠かせません。