岐阜の居場所づくりをひらく報告会
2026年3月19日に開催された「岐阜の居場所づくりをひらく」オンラインとハイブリッド形式の成果報告会が、一般社団法人サステイナブル・サポートの主催のもとに行われました。このイベントには、会場で約20名、オンラインで約50名が参加し、居場所づくりへの関心の高さがうかがえます。
開催の背景
イベントの始まりに、主催者であるサステイナブル・サポートの後藤氏が、開催の目的について語りました。彼らは、就労困難を抱える若者や発達障害のグレーゾーンにいる人々への支援を行っており、ただ「働く」だけでは支えきれない人々がいることに直面しました。そのため、若者向けの「居場所(サードプレイス)」の運営を始めました。このイベントは、その活動の成果だけでなく、医療や福祉、教育と連携しながら、これからの岐阜にどんな居場所が求められるかを考える場でもありました。
1. ぎふキャリアステップセンター
初めに、サステイナブル・サポートの渡辺氏から、「ぎふキャリアステップセンター(通称:ぎふキャリ)」の報告が行われました。ぎふキャリは、15歳から35歳の若者を対象とした無償の居場所で、手続きなしで訪れることができる「安心基地」として機能しています。ここでは、PCや書籍、ゲームなどが揃い、物価上昇の影響で「軽食提供」も始まりました。
今年度の実績としては、登録者59名、延べ参加者495名、食事提供158名を達成しました。ぎふキャリは、利用者のニーズに応じて4つのモデルに支援を分類し、居場所、就労支援、食料支援の観点から多様な価値を提供しています。今後の課題は、助成金に頼らない安定した財源の確保です。
2. ヒトノネの試み
続いて、一般社団法人ヒトノネの篠田花子氏が中高生の居場所づくりについて発表しました。ヒトノネは、2018年に設立され、主に貧困や孤独感を抱える中高生を支える活動を行っています。放課後の「クリエイターズクラブ」や「ユースセンター」を通じて、多くの子どもが集まる場所を提供し、イベントを通じて地域の人々との繋がりを広めています。
篠田氏は「ちょっとした企て」が子どもたちの成長に大きく寄与すると強調し、参加者が主体的に行動することで新たな経験を得ている様子を紹介しました。地域との交流やプロジェクト活動が、子どもたちの自信を育んでいるのです。
3. カムカムスワローの挑戦
3番目の報告者、カムカムスワローの近石壮登氏は、食を通じて医療と地域のギャップを埋める取り組みについて語りました。高齢化に伴う嚥下障害を抱える人が多い中、食事を楽しむ場が不足しています。近石氏は、カムカムスワローを通じて、障害を持つ人とそうでない人が共に食を楽しむことができる空間を提供しています。地域との連携で、医療的な支援も行われていますが、単なる食事の提供だけでなく、参加者が地域と繋がる機会を広めています。
クロストーク:居場所の価値と今後の展望
後半では、参加者のクロストークが行われ、居場所での支援の距離感や対象設定の難しさについて語り合いました。「評価せずに声を聴く」ことの重要性や、地域の人々との繋がり方についても意見が交わされました。運営を続けていく上で共通している課題は、財源や人材の確保であり、今後の運営についても話し合われました。
まとめ
イベントの締めくくりとして、後藤氏は「居場所づくりには緻密な設計が必要」と強調しました。医療・福祉・教育を超えて、地域社会の中で「顔の見える関係」を築くことが、今後の社会においてのセーフティネットとして重要であると訴えました。参加者にとって、大変有意義な報告会だったと言えるでしょう。