日本における働き方の変化と未来への展望
公益財団法人日本生産性本部は、2023年7月30日、働き方や人材育成についての「第17回働く人の意識調査」の結果を公開しました。調査は2020年5月以降四半期ごとに行われており、主に都市部で働く雇用者を対象にしています。今回の結果は、現在の景気見通しや働き方の実態を浮き彫りにしています。
調査概要
本調査では、雇用者1,100名を対象に、2023年7月の初めにインターネットを通じて実施されました。参加者は日本の企業や団体に雇用されている20歳以上の人々で、自営業者や家族従業者は含まれていません。調査は、就業環境、信頼度、雇用への考え方など多角的な視点から行われました。
景気見通しの現状
調査結果によると、今後の景気について「悪くなる」「やや悪くなる」との見方が増加しており、特に58.5%に達しています。この傾向は、世界的な経済情勢や米国からの影響を受けたものであり、働く人々の不安を高めている要因と考えられます。また、景気に対する不安がこれまで以上に強まっていることも明らかです。
テレワークの実施状況
テレワークについても興味深い結果が出ています。実施率は16.8%で、特に企業規模が大きいほど実施率が高く、小規模な企業では減少傾向にあります。新型コロナウイルスの影響で生活様式が変わった後、テレワークが一つの働き方として定着しているものの、現状では依然として平均的であり、さらなる変化が求められています。
働き方の多様化
さらに、キャリア形成の欲求については、メンバーシップ型からジョブ型への希望がわずかに増加しました。求められる働き方も変化し、柔軟性が求められる時代になっています。自己啓発への意欲も高まりつつありますが、その一方で多くの人が特に取り組む意向を持たない状況も見受けられます。
今後の課題
調査の結果、働く人々が望む働き方や制度の変化について、多くの企業がこのニーズに対応できていないことが浮き彫りになりました。支持が高いのは金銭的な支援であり、人員増加よりも手当などの経済的な支援を求める声が多いという点も注目に値します。
まとめ
今回の調査結果からは、日本社会の働き方が変化している過程と、景気に対する懸念が深まっている様子が明らかになりました。これらのデータは、今後の働き方改革や人材育成において重要な示唆を与えるものとなっています。このように働く人々の意識調査を実施することは、今後の日本の労働環境を考える上で欠かせないものと言えるでしょう。