グンゼ株式会社、廃プラスチック削減への取り組みで受賞
グンゼ株式会社が、プラスチックフィルムの生産過程で生じる廃プラスチックの削減とその再利用に向けた努力が評価され、令和6年度の「資源循環技術・システム表彰」で奨励賞を受賞しました。この表彰は、経済産業省の後援のもと、リサイクルや廃棄物の削減に貢献する優れた技術や取り組みを称えるものです。
この受賞については、2024年10月16日に行われた表彰式で、執行役員でプラスチックカンパニーの責任者である花岡裕史氏が表彰状を手にしました。式典後には『3R先進事例発表会』が行われ、同社の廃プラスチック削減に向けた取り組みやリサイクル原料を活用した製品についての講演が行われました。
プラスチックフィルム生産における革新
プラスチックフィルムの製造においては、延伸や熱収縮の制御が非常に難しく、また不純物の影響を受けやすく、品質の維持が困難です。グンゼでは、バージン材とリサイクル材を巧みに混合し、その「ずれ」を制御する独自の技術を開発しました。この技術を用いることで、高品質なフィルムの製造が可能となるばかりか、リサイクル原料入りの製品を市場に投入することにも成功しました。
従来、異なる種類の積層フィルムの再利用は困難で、廃プラスチックの大部分は産業廃棄物として処理されていましたが、グンゼは新たな分離方法を開発。溶剤の溶解性を利用して樹脂を回収し、再利用を実現しました。これにより、廃プラスチックの削減(リデュース)だけでなく、再利用(リユース)も推進する新たな仕組みが生まれました。
資源循環技術・システム表彰の趣旨
この表彰は昭和50年から実施され、廃棄物発生の抑制や再利用、再資源化に資する技術開発などの優れた取り組みを広く公募して表彰することで、これらの活動の普及と新たなビジネスの創出を目的としています。主催は一般社団法人産業環境管理協会です。
最軽量ハイブリッド収縮フィルム「GEOPLAS(R)HCX1」
さらに、グンゼはリサイクル原料の使用を進めた最軽量のハイブリッド収縮フィルム「GEOPLAS(R)HCX1」タイプを開発しました。この製品は、高品質なリサイクル原料を5%以上使用し、自動ラベル装着機にも対応しており、国内で最も軽量な収縮フィルムとして注目されています。
このような取り組みを通じて、グンゼは社会に貢献する企業としての姿勢を強化しており、今後も持続可能な社会の実現に向けた努力を続けていくことでしょう。