NINZIAが目指す食の自由 - 1億円の資金調達での未来展望
株式会社NINZIA(社名:ニンジャ)は、神戸市に本拠を置き、こんにゃく由来の高機能原料と革新的な食感技術を活用して、食の楽しみを提供する企業として名を馳せています。この度、同社はpre-Aラウンドで総額1億円の資金調達を成功させ、研究開発や海外展開の加速を図っています。これにより、糖尿病や肥満、アレルギーを抱える人々を含め、誰もが「食を楽しむ」ことができる世界を目指しています。
資金調達の背景と目的
今回の資金調達には、Future Food Fund株式会社をはじめ、株式会社リバネスキャピタルや再春館共創ラボラトリーなどが参加し、既存投資家である立命館ソーシャルインパクトファンドからも追加投資が実施されました。この資金を使って、NINZIAはまず、高機能原料の医科学的、栄養学的試験を深め、さらには工学的な観点からの物性コントロール技術を向上させる予定です。
特に、北米やASEAN市場への積極的な商品・技術展開を図り、より多くの人々に新しい食文化を提供することが期待されています。寄玉昌宏CEOは、これを通じて「食を自由に楽しめる世界」の実現を目指しているとのことです。
世界の健康課題に応えるNINZIAの取り組み
現在、糖尿病や肥満などの健康問題に直面している人々は増加しています。国際機関の調査によれば、糖尿病患者の数は8億人を超え、成人の糖尿病有病率は1990年の7%から2022年には14%へと二倍増しています。この健康課題は、私たちの生活に大きな影響を与えており、食事の風味を高めるための糖分や脂肪分の使用が、実は食の制限を引き起こす要因ともなり得ます。
NINZIAでは、このような「食の制限」を超えた商品作りを目指しており、植物性でヘルシー、かつクリーンラベルな原料の開発を進めています。具体的には、こんにゃく由来の食物繊維を用い、砂糖や脂質に依存しない結着成型技術を開発し、食感創成への応用を追求しています。
日本発の新たな食品技術
こんにゃくは日本の伝統食材としてポピュラーですが、その固まるメカニズムにはまだ不明点が多く、科学的な解明が進められていません。NINZIAは、この食材のユニークな特性に注目し、こんにゃくが持つ可能性を最大限に引き出す技術を具現化しています。このような取り組みにより、NINZIAは「次世代のヘルスケア素材」としての地位を築くことが期待されます。
代表の寄玉氏は、これまでの企業経験と研究を生かし、食べる楽しみと健康を両立させる新たな製品を開発しています。特に、自身が糖尿病になりやすい家系であることから、制限なく楽しめる食を追求する姿勢が感じられます。
新たな価値を共創する企業へ
寄玉CEOは、メディアのインタビューにおいて、「私たちは、日本の伝統的な食材を現代の技術で再定義し、食を通じてウェルビーイングを高める製品を提供します」と宣言しました。今回の資金調達により、NINZIAは自社の技術をさらに深化させ、国内外での市場開拓を強化していく方針です。
今後もNINZIAに注目が集まる中、彼らがどのようにしてグローバルな食品市場での存在感を高めていくのか、期待が寄せられています。