戦争について考える特別イベント
2023年8月15日、葛飾区柴又にある日本庭園「山本亭」で、戦争の影響を考える特別なイベントが開催されました。この日は、終戦から79周年を迎えるにあたり、地域住民が戦争について理解を深めるための貴重な機会です。
特別な見学と紙芝居
イベントには、午前と午後を通じて合計85名の参加者が集まりました。開始にあたり、参加者たちはまず区学芸員による戦時中の葛飾区についての説明を聞きました。区内での空襲の歴史や、焼夷弾の影響で区役所が焼失した事実を知ることで、参加者は当時の写真を通じて深く理解を進めました。また、葛飾昔ばなし研究会による紙芝居の上演も行われ、東京大空襲にまつわる作品「ガラスのうさぎ」や「コスモスの花は咲いたけど」が披露されました。これにより、若い世代にも戦争の悲劇が伝わる素晴らしい仕組みとなっています。
防空壕の特別見学
イベントの後半では、普段は公開されていない山本亭の地下にある防空壕の見学が行われました。地下へと続く階段を下りると、参加者は特別に設計された防空壕の内部を見学しました。山本亭は地元のカメラ部品製造会社の創立者、山本栄之助氏の居住地であったため、通常の防空壕とは異なり、コンクリート造りで、六畳二間の広さに加えて金庫やシャワー室も完備されています。このような設計に参加者たちは驚きを隠せませんでした。
小学5年生の吉田翔俐さんも参加しており、イベントを通じて「柴又でも空襲があり、葛飾区にも戦争の影響があったことが分かった」とコメントしています。彼のような若者が戦争の歴史を学ぶことにより、次世代へと想いが引き継がれることを願うばかりです。
山本亭の魅力
山本亭はただの歴史的な場所ではなく、関東大震災後に地元に移り住んだ山本栄之助氏の自宅であり、昭和63年には葛飾区に取得され、1991年から一般に公開されています。特に、この庭園は「Sukiya Living」による日本庭園のランキング調査で常に上位にランクインしており、2023年には3位に輝きました。また、2008年には来館者が100万人を達成し、2024年には200万人が来館すると見込まれています。
この特別なイベントは、戦争の歴史を学ぶ貴重な機会であり、参加者にとってはただの見学を超えた、心に残る体験となったことでしょう。今後もこうした歴史を伝える活動が続けられることを期待しています。