TISとWelbyが手を組み、ヘルスケアDXの新時代へ
2023年10月、TISインテックグループのTIS株式会社と株式会社Welbyが、ヘルスケア領域における次世代データ連携基盤の構築に向けて業務提携契約を締結しました。この提携は、製薬や保険業界でのヘルスケアDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速を目指しています。
背景と社会課題
日本社会は少子高齢化が進む中、後期高齢者の割合の増加に伴い、医療や介護の需要が急速に増大しています。一方で、医療従事者の不足や地域医療格差の拡大が進み、2030年には社会保障費の急増が懸念されています。このような課題を解決するためには、電子カルテの標準化や個人健康情報(PHR)の活用が不可欠です。
PHRとは?
PHR(パーソナルヘルスレコード)とは、個人が自分自身の医療情報や健康データを一元管理する仕組みです。最近では、各企業が健康診断結果や服薬情報などを管理するためのスマートフォンアプリを提供していますが、個別ニーズに応じたカスタマイズと基盤の標準化とのバランスを取ることが課題とされています。
TISとWelbyの連携
TISは2020年から、生活者が健康・医療情報を医療従事者や家族と共有できるPHRサービス「ヘルスケアパスポート」を展開。Welbyは、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病に対応した「Welbyマイカルテ」を提供。両社は、Welbyの標準化されたPHRプラットフォームとTISの強力なシステムインテグレーション技術を組み合わせ、製薬・保険業界でのヘルスケアDXの推進を図ります。
この提携により、TISとWelbyは製薬会社や保険会社と連携し、信頼性の高いヘルスケアインフラの開発をスピーディに進め、社会実装を目指しています。両社は各自が持つ技術やデータ基盤を活用することで、電子カルテやPHRの連携を実現し、生活者が自分のデータを基に健康を促進できる社会の実現を目指します。
共同での取り組み
具体的には、Welbyの医療データの収集機能やTISのシステム接続技術を使って、電子カルテなどの外部システムとの統合を行います。また、Welbyが提供するPHRデータポータビリティ基盤「WPDP」とTISのヘルスケアプラットフォームを連携させることで、PHRと医療データの統合を進め、製薬企業向けの治験・臨床研究ソリューションや、保険業界向けのヘルスケアデータソリューションを強化します。
今後の展望
TISとWelbyは、この提携を通じて製薬・保険業界でのデータ活用を推進し、市民の健康増進に寄与するサービスの創出を目指します。「健康・医療情報は個人のモノ」という理念の下、生活者が自らの意思で健康情報を管理し、利用できる社会を築くため、新たなサービスの開発や既存サービスとの連携を強化していく予定です。
両社とも、長期的な視野でのヘルスケアDXの普及に取り組み、地域医療の充実や医療・介護費の削減を目指します。今後の進展に期待が高まります。