資生堂ギャラリー、「神話のことばブラジル現代写真展」を開催
資生堂ギャラリーは、2012年10月27日から12月23日まで「神話のことばブラジル現代写真展」を開催します。この展覧会は、ブラジルの現代写真を通じて、独自の文化や生活を探求しようとする試みです。
資生堂ギャラリーの歴史は、創設者であり初代社長であった福原信三が写真家として活動していた影響を受け、以来多くの写真展が開かれてきました。近年では新たな視点を持ち、映像表現における多様性を強調する展示が行われ、これまでに「ヘルシンキ・スクール写真展風景とその内側」や「暗がりのあかりチェコ写真の現在」など、多彩な企画が展開されてきました。
本展覧会もその一環として、南米の文化的中心地であるブラジルの現代写真の潮流を紹介します。ブラジルは広大な面積と人口を誇り、新興経済国BRICsの一員として急成長を遂げています。日本との関係も深く、1895年の修好通商航海条約締結以来、多くの日本企業が進出し、また日系人の移住も数多く行われてきました。
ブラジルは多様な民族と文化が共存する国で、その歴史的背景から数多くの人種、宗教、文化が交わっています。この独特の多文化主義は、音楽、美術、建築、デザイン、映画においても反映され、世界的に高く評価されています。
本展では、クラウディア・アンデュジャール、ルイス・ブラガ、ホドリゴ・ブラガ、ジョアン・カスティーリョ、エウスタキオ・ネヴェス、ケンジ・オオタら6名のアーティストとシア・デ・フォトの作品が展示されます。「神話のことば」というテーマには、現代社会において軽視されがちな神聖なものを掘り下げ、ブラジル文化の本質を探ろうとする姿勢が込められています。アーティストたちはそれぞれの視点でブラジルの風景や生活風習、自然環境を主観的に捉え、情熱的に表現しています。
出展作家の一人、クラウディア・アンデュジャールは、アマゾンの先住民ヤノマミ族に寄り添いながら、その生活を記録する作品を生み出しました。また、ルイス・ブラガは鮮やかな色彩表現で知られ、ホドリゴ・ブラガは文明と自然の共生をテーマに作品を制作しています。ジョアン・カスティーリョは「イマジナリー・ドキュメンタリー」と呼ばれるスタイルを取り入れ、エウスタキオ・ネヴェスやケンジ・オオタは、それぞれ独特な技術を駆使して詩的な作品を展開しています。
この展覧会を通じて、ブラジルに息づく神話の世界を体験していただけるでしょう。また、展覧会には、ゲストキュレーターであるエーデル・シオデットによるギャラリートークも予定されており、彼の視点から作品を深く理解する貴重な機会となるでしょう。
開催詳細
- - 会期: 2012年10月27日(土)〜12月23日(日)
- - 会場: 資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階)
- - 入場: 無料
- - 時間: 平日 11:00〜19:00 / 日・祝 11:00〜18:00(毎週月曜閉館)
- - お問い合わせ: 資生堂ギャラリー tel. 03-3572-3901
本展では、視覚的な楽しさとともに、深い文化的背景を感じる機会を提供します。この機会にぜひ、ブラジルの魅力を再発見してください。