島根県での苗木育成が始まる
ナカバヤシ株式会社の製造子会社である島根ナカバヤシ株式会社が、新たに松江工場内でスギの苗木育成に乗り出しました。初年度には5000ポッドを定植。これは地域の林業と環境への貢献を目指した重要なステップとなります。
この企業は1971年に出雲市佐田町で活動を開始して以来、現在では島根県内に5つの工場を運営しています。また2013年には松江バイオマス発電株式会社も設立し、木質バイオマス発電事業に力を入れています。島根県の森林面積は52万ha、県の総面積の78%を占め、森林率では全国4位の位置にあります。
このような背景の中、島根ナカバヤシの苗木育成への取り組みは、地域の原木生産量の増加を図るものです。特に、森林資源を支える苗木生産者が不足している現在において、この取り組みは重要です。さらに、将来の70歳定年制を念頭においた雇用創出も狙っています。
「持続可能な林業の実現」を掲げ、島根県産の木質チップを約90%使用した木質バイオマス発電における安定的な材料確保にも寄与することを目指しています。実際、この取り組みは全国的にも初めてのケースであり、木質バイオマス発電を展開する企業が苗木育成に関与することは、サーキュラーエコノミーの推進にも寄与することから意義深いといえるでしょう。
今後は、苗木育成において水分量、温度、湿度、風力などの環境条件を分析し、工業製品の製造で培った生産管理の技術を活用して得苗率の向上とコスト削減を図ります。さらに、島根の気候に適したエリートツリーの生産を目指し、地域との連携を強化していく方針です。
このような取り組みが進むことで、地域の森林資源を守り、持続可能な未来へとつなげていくことが期待されています。ナカバヤシ株式会社のさらなる展開に注目が集まります。
2024年定植数
初年度の定植数は5000ポッドであり、これを基に今後の生産計画が進められます。