ミッキー・カーチスの世界
2025-11-12 19:22:22

87歳のミッキー・カーチスが描く色彩豊かな世界とは?

87歳のミッキー・カーチスが描く色彩豊かな世界



2025年11月、東京の代々木にあるY2 STUDIOで、ミッキー・カーチスの個展が開催されました。会場に足を踏み入れると、カラフルで愛に満ちた空間が広がり、来場者が集う中、彼自身が笑顔で迎えてくれました。ここには、彼の心からの創作が詰まっています。

ミッキー・カーチスは、日本にロカビリーを紹介した先駆者であり、俳優やレーサー、落語家としても名を馳せ、最近では77歳からアートを始めています。彼の創造的な探求心は衰えを知らず、表現の幅を広げてきました。今回の個展では160点以上の作品が一堂に並ぶ中、彼の心の中に秘められた様々な感情やエピソードが浮かび上がります。

展示されている作品の中でも特に目を引くのは、動物たちの顔を大胆に描いたシリーズです。これらの絵は、無邪気さと優雅さを兼ね備え、観る者にまっすぐな視線を向けてきます。色使いは鮮明でありながら、どこか優しい温かみを感じさせ、彼の長年のステージ経験が滲み出ています。観客とのやり取りで培ったリズム感が、筆の運びに凝縮されているようです。

また、タイでの日々の記憶を反映した作品も印象的です。具体的な風景は描かれていませんが、南国の湿気や陽射しの残像が画面に息づき、ノスタルジックでありながらサイケデリックな感覚に誘います。懐かしさと高揚感が絶妙に交錯し、観る者は夢の中を漂うような体験をします。

さらに注目すべきは、彼自身の体験を基にした作品です。入院中に皮膚に貼られた心電図のパッチを用いた作品や、麻酔中に見えた幻影のような風景を描いたもの、戦時中の記憶を反映した絵など、生の体験がアートという形に昇華されています。生と死の境界をもテーマにする彼の作品には、ただ美しいだけでなく、深い意味が込められています。

個展を訪れた観客には、多様な年齢層が見受けられました。かつてのファンであろう年配の方々が懐かしむ姿や、家族連れが子どもと一緒に楽しんでいる様子が印象的でした。誰もが作品の前で立ち止まり、少しの間笑顔になる瞬間があり、心の中に幸福感が宿ることを感じました。

坂井直樹氏は、ミッキーの生き方について「老いるのも、練習だよ。まだ下手だけどね」と述べています。その言葉に勇気をもらう人が多いのではないでしょうか。老いてもなお、絵筆を手に自らの生を表現する姿は、まさに“静かなロカビリー”。ステージではなくキャンバスの前に立ちながら、色によって自己を響かせ続ける彼の姿には、まるであの時代の音楽が静かに宿っています。

今回の展示は、87歳のミッキー・カーチスが今もなお「ロックの魂」を鳴らしている証です。訪れることで、彼の幸福なエネルギーに触れ、自身の内なる感情を見つめ直すきっかけになるかもしれません。ぜひ、このユニークで感動的なアートの世界に足を運んでみてはいかがでしょうか。

アート展の詳細


  • - 名称: ハッピーペインターミッキー・カーチスアート展
  • - 会期: 2025年11月7日(金)〜11月17日(月)
  • - 時間: 12:00〜19:00(会期中無休)
  • - 会場: Y2 STUDIO
  • - 所在地: 東京都渋谷区代々木4-28-8 代々木村田マンション501
  • - アクセス: 京王新線「初台駅」より徒歩5分


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会社情報

会社名
株式会社スピーディ
住所
東京都港区
電話番号

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