味の素が世界に発信した日本食の魅力
2025年6月16日、味の素株式会社がフランスのカンヌで開催される「Cannes Lions International Festival of Creativity」で、日本の企業として初めて公式セッションを主催しました。このイベントでは、日本の食文化の独自性やクリエイティビティについて深掘りする貴重な機会が設けられました。
日本食の国際的な評価
「TasteAtlas」による世界の料理ランキングで、日本がイタリアに次ぎ2位にランクされていることもあり、国際的に日本食の人気は高まっています。このトレンドを背景に、味の素が主催したセッションでは、「Inspire, Reinvent, Globalise: Secrets of Japanese Food Creativity」というテーマのもと、日本食のクリエイティブ・サイクルを紹介しました。
日本食は海外の料理から影響を受けつつ、それを独自の味覚に適応させ、新しい形で世界に広がるという循環を持っています。登壇者には、ミシュラン星を獲得したシェフの松嶋啓介氏や、戦略PRの権威である本田哲也氏、味の素の欧州アフリカ本部長である森妹子氏が参加し、多様な視点から日本食の魅力を語りました。
創造的循環モデル
セッション内で紹介された「創造的循環モデル」は、着想から再構築、そしてグローバル化への流れを強調しました。このサイクルを通じて、日本食は歴史の中で進化を続け、独自の地位を確立しています。松嶋氏は、自身の料理においてもこのサイクルを意識し、フランスの食材に日本的な要素を加えることで、地元の人々に支持される料理を提供しています。
松嶋氏は「日本には、外部から取り入れた要素を独自の文化として育てる力がある」と述べ、日本食がただ美味しいだけでなく、健康にも寄与する点を説明しました。さらに、「うま味」に基づく料理が、心身の健康にとって重要であるという点にも触れました。世の中の対立が続く中で、平和的なメッセージを日本食を通じて伝えたいという思いも語られました。
おいしさ設計技術の活用
森妹子氏は、味の素グループが各国の食文化に寄り添い、「うま味」や「おいしさ設計技術®」を通じて地域に根ざした食文化を創造する取り組みについて語りました。現地の食生活を観察し、その文化に合った製品を開発することで、食卓に新しい価値を提供しています。
このセッション全体を通じて、日本の食文化がどのように世界に影響を与えているかの実例が示され、日本から発信される価値のあり方を再確認できる機会となりました。味の素はこれからも、さまざまな文化に寄り添いながら、グローバルな市場での革新を続けていくことを目指します。
まとめ
味の素がカンヌライオンズで発信した日本食の魅力は、単なる食の盛り上がりにとどまらず、文化や健康に対する深い理解を伴っています。セッションを通じて得られた知見は、今後の日本食の展開に大きな影響を与えることでしょう。食卓の背後にあるストーリーや価値が、世界中の人々に響くことを願って止みません。