高校生たちの過去と向き合う青春小説『ほころぶしるし』の魅力
2025年7月16日、株式会社ポプラ社から新しい小説『ほころぶしるし』が発売されます。この作品は、著者・川上佐都さんによるもので、彼女は第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を『街に躍ねる』で受賞し、一躍注目の作家となりました。2作目の『今日のかたすみ』でも高評価を得て、多くの読者に愛されています。
愛と過去の真実
本作では、高校生・道田奈央が物語の中心となって描かれています。彼女は、バスツアーで立ち寄ったパーキングエリアで出会った少年に心惹かれます。彼の哀しげな眼差しに興味を抱くも、名前を聞くことさえできずに別れてしまう奈央。しかし、数日後、図書館で偶然再会し、少年の名前は磐田陸だと知ります。恋愛の喜びが膨らむ中で、彼が抱える「ある真実」が明らかになる瞬間、物語は一変します。
この点が本作の醍醐味であり、恋愛の中で誰もが抱える過去の罪や傷に向き合う姿を通じて、感動を呼び起こします。被害者、加害者、傍観者がそれぞれの立場で傷つきながらも、自分自身の内面と向き合い、成長していく様子は、読者に深く共鳴することでしょう。
登場人物の心の葛藤
奈央と陸の関係が進展する中、奈央の親友である千恵里が登場し、物語にさらなる緊張感をもたらします。彼女が陸の写真を見たとき、驚くべき事実が発覚し、漢字で表現することが困難なほどの混乱が奈央を襲います。このシーンは、友人同士の関係性や、恋愛に対する想い、そして過去の痛みを描写する重要なポイントです。
このように『ほころぶしるし』は、ただの恋愛小説ではなく、青春の痛みや葛藤を真正面から描いた作品です。登場人物たちが自らの傷跡を受け入れ、克服する姿は、読者に勇気を与えることでしょう。
被害者と加害者の視点
小説全体を通して、著者は被害者と加害者の両方の視点を巧みに描写しています。この点が、本作を単なる恋愛物語に留めず、より深い文学作品に仕立て上げています。著者は、痛みを抱えた人々がどのように自分の問題に向き合い、解決していくのかを丁寧に描写することに注力しています。
小説の影響力
本作が世に出ると、多くの読者から感動の声が寄せられており、更なる話題となっています。川上佐都さんのデビュー作から続く、彼女の成長と進化を追いかけることも、この小説の楽しみの一つです。
著者のプロフィールと今後の展望
川上佐都さんは1993年生まれで、神奈川県鎌倉市出身です。彼女の作品は、感情を繊細に描写するスタイルが特徴であり、読者の心に響くものがあります。今後の作品にも期待が寄せられており、彼女の創作活動から目が離せません。『ほころぶしるし』という新たな一歩を踏み出した彼女の次代に、是非注目したいものです。
『ほころぶしるし』は定価1,870円(税込)で、発売日は2025年7月16日です。書籍の詳しい情報は
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