Visual BankがシリーズBで約11億円を調達、IPとAIの融合を加速へ

Visual Bankが約11億円を調達し次のステージへ

東京都渋谷区に本社を置くVisual Bank株式会社は、シリーズBラウンドで三井住友海上キャピタルをリード投資家として、CDIBクロスボーダー・イノベーション・ファンド、インキュベイトファンド、あおぞら企業投資、SMBCベンチャーキャピタル、W fundなどから合計で約11億円の資金を調達しました。この調達により、同社は日本を代表する「IP × AI Enabler」としての成長を目指します。

資金調達の目的

Visual Bankは、創業理念として掲げる「創造性の黒子」に基づき、漫画やアニメといった知的財産（IP）と人工知能（AI）の共存を支援しています。今回の資金調達は、IPとAIが融合することで生まれる新たな価値の創造や課題解決に向けた事業基盤の構築を目的としています。

具体的には、次のような取り組みが行われます。

1. THE PEN（IP × AI）事業の成長加速

Visual Bankの子会社「THE PEN」では、漫画家がより多くの作品を描けるよう支援するAI補助ツールの開発に注力しています。今回調達した資金は、創作活動の現場を支えるためのプロダクト開発や改善に使われる予定です。

2. 次世代型データライブラリの構築

同社は、経済産業省およびNEDOによる「GENIAC」プロジェクトの支援を受け、国内IP産業特化のAI開発用データライブラリの構築を主導しています。この資金を通じて、同分野におけるサービスを拡充し、戦略的なM&Aや人材採用への投資を行う計画です。

Visual Bankの成り立ちと今後のビジョン

Visual Bankは、2022年4月にM&Aによって創業し、老舗企業アマナイメージスを傘下に持つことで業界の信頼を獲得しました。この運営母体のおかげで、大規模なビジュアルコンテンツ管理や流通事業の利用が可能となり、AI向けのデータセット開発もスムーズに進行しています。

さらに、各界のパートナーとの連携を深め、日本のIP産業とAIの可能性を広げていくための施策を展開します。特に、株式会社コルクや株式会社THE GUILDの代表と共同で設立したジョイントベンチャーは、大きな注目を集めています。

コメントと期待

Visual Bankの共同創業者である飯塚文貴氏は、今回の資金調達が新たなフェーズへの転換点であると語り、創造性と権利の重要性を反映したビジネスモデルの重要性を強調しています。

また、投資関係者からは、既存の枠組みにとらわれない挑戦を行っている同社の姿勢に対する称賛の声が上がっています。

今後もVisual Bankは、革新と協力を重ねながら、次世代のクリエイティブ産業の根幹を支える役割を果たしていくことでしょう。