日立製作所がAI活用の基幹システムを刷新する新サービスを開始

日立製作所が提供する「モダナイゼーション powered by Lumada」

株式会社日立製作所は、デジタルセントリック企業を目指す企業向けに新たなサービス「モダナイゼーション powered by Lumada」を発表しました。このサービスは、AIネイティブな基幹システムの刷新を通じて、企業のデジタル変革を促進することを目標としています。2023年10月21日よりサービスが開始され、多くの企業がこの新しいシステム導入に期待を寄せています。

基幹システムの重要性と課題

最近、多くの企業は労働人口の減少に直面し、業務の知識の継承や競争力の強化が求められています。このような状況の中で、ITの中核を担う基幹システムにおいては、熟練のエンジニアの不足やシステムのサイロ化が大きな課題となっています。日立はこれらの問題に対処するため、長年にわたり企業のシステムを最新の技術で刷新するモダナイゼーションを実践してきました。しかし、現代では、単にシステムを刷新するだけでなく、AI技術を活用した業務や組織の改革が求められています。

「モダナイゼーション powered by Lumada」の内容

「モダナイゼーション powered by Lumada」では、AI技術を駆使した業務変革を促進する2つのメニューを用意しています。これにより、企業の業務・IT・組織をデータドリブンで変革することをサポートします。

1. グランドデザイン策定サービス
このサービスでは、企業の変革に必要な投資の優先順位を考慮し、実効性の高いロードマップを策定。技術選定やリスク評価も行い、システム刷新に必要な計画を整えます。

2. 業務・ITモダナイゼーションサービス
AIを活用した業務の自動化推進や重要データの特定、データ品質の維持に加え、最新アーキテクチャーへの刷新をサポートします。また、AIの活用を全工程に組み込み、グローバルに活躍する人材を活かして開発の迅速化を実現します。

このサービスは、日立のビルシステム事業で提供されるAIソリューション「HMAX」にも活用されます。HMAXは、エレベーターのメンテナンス作業の自動化を進めるための特化したシステムであり、日立は、特にビル設備のメンテナンスにおいて、深刻な人手不足問題に対処するためにこの技術を用いています。

顧客の声

大同生命保険の黒川智也室長は、「当社は日立製作所と連携し、メインフレームからオープンシステムへの移行を進めています。このサービスは、AIを活用したシステム開発をさらに促進するもので、システム改革の方向性に合致しています」とコメントしています。

成功事例と日立の強み

日立は長年にわたる業務プロセス変革支援の実績や深いデータマネジメントの知見を基に、顧客に対して高品質なサービスを提供します。また、GlobalLogicの専門知識を活用し、AI活用に優れた環境を整えています。このように、日立の「モダナイゼーション powered by Lumada」は、デジタルセントリックな企業への変革を強力にサポートすることが期待されています。これにより、企業は変革速度を加速させ、持続的な成長を実現することが可能になるでしょう。

そのため、「モダナイゼーション powered by Lumada」は、投資の優先順位を決定しやすくし、AI技術をビジネスに効果的に組み込むための具体的な手法を提供しているのです。デジタル転換が急務とされる現代において、日立製作所のこの新しいサービスは、企業の未来を切り拓く重要な一手となるでしょう。